4: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/13(日) 22:46:15.19 ID:kh3F9e+N0
事務所の中に私とちひろさんしかいなかったのは、幸いだった。
にわかに信じがたい言葉を飲み込み、私は電話が終わるのを待つ。
ちひろさんの蒼白な顔。それだけで、先ほどの言葉は真実なのだろうと思われた。
「……どう……しましょう」
ちひろさんがうめくように呟く。私はなんとか、言葉を絞り出した。
「ちひろさん……まず、社長さんに。それから……ええと……」
先ほどの電話を思い出しなさい……どこに安置されていると言っていたの?
「社長さんとちひろさんで、病院に行ってください……私は、残ります」
「えっ、それでは……」
「今はほら、人がいませんし。スタッフの方に事情をお話ししないとなりませんし」
「でも」
「早く、社長さんとちひろさんが会ってあげて……くださいね?」
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