僕っ娘剣士「黙れ犬!僕を女扱いするな!」少年「でも、お嬢は女だし……」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/19(土) 19:27:34.12 ID:ZPljtdP8O
「お? あったあった」

米は思いの外、早く見つかった。
何軒か店を回って、目的の品を手に入れた。
あとは学校に戻って炊くだけなのだが。

「ここが調理室、だよな……?」

学校の調理室は校舎の離れに設置されており、もうすぐ昼食時だと言うのにまるで人の気配がしなかった。しかし中から音はする。

「誰か居るのか……?」

恐る恐る扉を開けて、犬は驚愕した。

「な、鍋が空を飛んで、包丁が勝手に野菜を切ってやがる! どうなってんだここは!?」

目の前の光景が信じられず立ち竦む犬の存在に、ようやくこの調理室の主人が気づいた。

「あら? どうなさいました? まだお昼前ですけど、お腹が空いちゃったんですか?」

調理室の住人は犬の主人に負けず劣らず奇妙な出で立ちをしていた。まず、帽子である。
煤けた茶色の帽子は所謂、山高帽であった。
豊かな栗色の髪がそこからはみ出ている。
そして長いローブの裾をずるずると引きずる彼女の手には、白くて細い杖が握られていた。

「もしかして、魔法を見るのは初めて?」
「い、いや……こんな魔法は初めて見る」

魔法。それで現象の全ての説明がつく。
彼女は魔法使いなのだ。魔法で料理をする。
いわば、『魔法調理師』なのであった。


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