24:名無しNIPPER[saga]
2020/09/22(火) 02:41:51.85 ID:3G5NISVX0
  姉の軽口には気も留めず葛葉が歩き出し、ひまわりはその後を追った。弱いという発言に気を悪くしたのではないことは姉には理解が出来ている。この程度の丁々発止など彼らの間では日常茶飯事であった。 
  
 「どこ行くん? 当ては有んの?」 
  
 「無えよ、そんなん。けど水の音がした。ってことは近くに川がある。川があるってことはその流域に集落がある可能性は極めて高えんじゃねえの?」 
  
 「おおー、賢い。……お前、本当に葛葉か?」 
  
 「殺すぞ、馬鹿。川の付近から文明は産まれるって姉ちゃん、歴史の授業の一番最初に習うモンだろが、フツー。学校行ってねえのか、不登校児ですかァ?」 
  
 「お? それくらいひまだって知ってるし」 
  
 「そか。なら四大文明の名前言ってみろや?」 
  
  言いながら姉の先を歩く吸血鬼はごく自然に歩きやすい道を選択して台地を降りていた。それは一見分かりにくいが、姉への思いやりからくる行為である。彼が例えば一人であるならば、真っ直ぐに水音向けて険しい道を直進したであろう。 
  
 「え、えーとアフリカ大陸……?」 
  
 「文明、っつっただろうが! 誰が人類発祥の地を聞いてたんだ、オラァ!」 
  
 「……はっ!? ヨーロッパや! ヨーロッパ文明!」 
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