15:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:20:35.78 ID:V4s4JV6AO
 「むぅ…困ったねぇ…」 
  
  これではどちらが雇い主なのかわからない。そんなことを考えていると… 
  
 「あれ?社長?どうしたんですか?」 
16:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:21:44.75 ID:V4s4JV6AO
 「いや、音無君に締め出されてしまってね…」 
  
 「えぇぇぇ!?ど、どういうことですか!?」 
  
 「いやいや、私が悪いんだ」 
17:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:22:35.88 ID:V4s4JV6AO
 「時に天海君。君は…765プロに入って良かったと思えるかね?」 
  
 「はい?」 
  
 「いやだから…他のプロダクションならばよかったと…思ったことはないかい?」 
18:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:23:21.74 ID:V4s4JV6AO
 「えっと…他の事務所も何も、私765プロにしか受からなかったんですけど…」 
  
 「え?」 
  
  てへへ、と言いながら頬をぽりぽりとかく天海君は恥ずかしそうに照れている。どうして?彼女ほどの逸材が何故… 
19:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:24:10.36 ID:V4s4JV6AO
 「私、ダンスも歌も苦手だったから…スクールの成績も良くなかったんです…だからオーディションの時も目立つところにはいませんでした」 
  
  そう語る彼女の目はどこか遠くを見つめているようだった。 
  
 「…社長だけでした。オーディションで他の子には目もくれず、端っこにいた私に『ティンときた!』って言ってくれたのは」 
20:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:25:19.43 ID:V4s4JV6AO
 「だから、私にとっては765プロ以外なんて…考えられないんですよ」 
  
  ニコッと笑った彼女の笑顔がその言葉が嘘ではないことを証明していた。 
  
 「そうか…ありがとう天海君」 
21:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:26:52.86 ID:V4s4JV6AO
 02 
  
 「〜♪」 
  
 「む?この声は…」 
22:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:27:49.69 ID:V4s4JV6AO
 「どうしたんですか?こんなところで…」 
  
 「いや、何、少し風に当たろうと思ってね…」 
  
 「そうなんですか…私も…少し練習の環境を変えたくて…」 
23:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:28:54.14 ID:V4s4JV6AO
 「如月君、君は…他のプロダクションならばよかったと…思ったことはないかい?」 
  
 「はい?」 
  
 「いや、君はそもそも歌手志望だっただろう?私はアイドルのプロデュースしかできないから、君にもアイドルとしてデビューしてもらったが…」 
24:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:30:02.98 ID:V4s4JV6AO
 「そう…ですね…確かにそうだったかもしれません…」 
  
  如月君は私の話を聞いた後、考えながら絞り出すように返事をしてくれた。 
  
 「けれど、今の私があるのも765プロのおかげです」 
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