佐々木「君は優しいね」キョン「炭治郎には敵わないさ」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/11/01(日) 20:05:17.54 ID:eKWbNwFOO
「あんなに可愛い実の妹が居ればたしかに僕に勝ち目はないね。たとえ竹輪を咥えても」
物分かりの良い佐々木は、あっさり諦めた。
「さて、キョン。本題に入ろうか」
「本題?」
「ああ。ここに映画のチケットが2枚ある」
カーディガンのポッケからチケットを取り出す佐々木。無論、鬼滅の刃の鑑賞券である。
「一緒に観に行く気があるのなら今すぐに顔を洗い、寝癖を整えたまえ。手早くね」
それは願ってもない申し出だが、その提案に乗ることは出来ない。俺には妹が居るから。
俺だけ観て来たら、妹が拗ねてしまうから。
「悪いな、佐々木。俺は……」
「誰が『僕と一緒に』と言ったんだい?」
「は?」
「妹さんと一緒に観て来たまえ」
そう言ってチケットを差し出す佐々木はまるで悪戯が成功したような笑顔だったが、素直にチケットを受け取ることは出来なかった。
「行くぞ」
「え? キョン?」
「まだ1席くらい残ってるかも知れないだろ」
差し迫るチケットの時刻を確認して、顔も洗わず寝癖も整えず、妹の手を引き、そして戸惑う佐々木をつれて俺は家を飛び出した。
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