御園かりん「お前の心を盗むのだ!」
1- 20
17: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2020/11/29(日) 17:55:08.74 ID:F2WpVU4e0

かりん「アリナ先輩。ここ、触ってなの」ギユ ポス

アリナ「なんな・・・はっ? ・・・? ・・・プアアートの、プアバスト?」ムニュ...

かりん「そうじゃなくて・・・。その奥にあるものを感じて欲しいの」

アリナ「奥・・・?」

アリナ「・・・・・・・」


トクンッ トクンッ


アリナ「プアアートのハートが、鼓動してる」

かりん「うん。それは命の音なの」

アリナ「命の音・・・」

かりん「それと、今アリナ先輩の手は何を感じている?」

アリナ「・・・暖かい」ポワァ

かりん「それは命の暖かさなの」

アリナ「・・・・・・」

かりん「わたしにはこの命があって、体があるの。それは、過去にわたしのお父さんとお母さんが出会って愛し合って、そしていっぱい苦労して、わたしが大事に育てられたおかげ」

かりん「でもね・・・。この前、それを二木の怖い人に燃やされ時・・・」

かりん「体中に火が付いて、熱くて、熱くて、物凄く熱いはずなのに、でも、なぜか寒くて・・・。動けなくて・・・暗くて・・・何も見えなくて・・・何も感じなくなって・・・わたし、もう死ぬんだって思ったの・・・」

アリナ「・・・・・・・」

かりん「死んだら、もう父さんにもお母さんにもおばあちゃんにも会えなくなって、仲良くなれた十咎先輩たちとも遊べなくなって、学校にも行けなくなって、大好きなアリナ先輩と一緒に部活もできなくなって、大好きなマンガも、読めないし、描けなくなる」

かりん「何もなくなって、どうしようもなくなって、諦めるしかないのが、悲しくて悔しかったの・・・」

かりん「だけど、ドッペルに助けられて、入院してお医者さんの治療を受けて死なずに済んだの。そしてまたみんなにも会えるようになったし、マンガも描けるようになって、なにより今はこうしてアリナ先輩の隣に居られる」

かりん「それが言葉にできないくらい嬉しくて楽しいの。これからもそんな楽しい未来を生きるために、この命はなにがなんでも大切にしなきゃって思うの。一度死にかけて全部諦めたものだから余計にそう思うの」

アリナ「・・・・・・・」

かりん「命には音があって、暖かさがあって、過去があって、未来があるの。それを一枚の絵に描こうとするのは、簡単じゃないし、誰にでもできることじゃないの」

かりん「簡単にできないことを今すぐにでもやろうとしても、できるわけないの」

アリナ「・・・・だから、アリナにアートを捨てろって?」

かりん「そうじゃないの。例えば、わたしのこの宝探しのマンガはね、実は少し前まで途中の展開が描けなくてしばらく完成できなかったものなの。それは辛かったんけど・・・」

かりん「だけど、時間が経ってある時、ふとしたことがきっかけでまた描けるようになって、それでやちよさんたちにすごく面白いって言われるほどのマンガにできたの」

かりん「それと同じように、アリナ先輩も、今は命をテーマにした絵からちょっと離れてみてもいいと思うの。そうしてしばらくしたらきっとまた描きたい絵が描けるようになるから」

アリナ「・・・・・・・」

かりん「それまでは難しい絵じゃなくて、わたしと一緒にきりんちゃんの絵を描きっこしたりしたいのっ! どうかな?」

アリナ「・・・・・・・・・・・・・・アイシー」




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
44Res/94.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice