竈門炭治郎「義勇さんは、泣かないんですね」富岡義勇「俺は水柱だからな」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/20(日) 20:17:28.10 ID:oGbsfrUpO
「義勇さんがいるじゃないですか」

炭治郎はそんな惚けたことを言う。
それはある意味、俺のことを信頼しているのかも知れないが、過大評価に過ぎない。

それからしばらく炭治郎に付き纏われて根負けした俺は、包み隠さずに全てを打ち明けた。
最終選別の際の情けない過去も全て。
しかし炭治郎は俺が水柱であることに疑問を感じた様子すらなく、こんなことを尋ねた。

「義勇さんは錆兎から託されたものを繋いでいかないんですか?」

その瞬間、目が覚めた。夢から醒めた。
俺はただ錆兎の代わりに生き残ったのではなく、錆兎にたしかに託されていたのだ。
あの時死んでしまった錆兎がこれからしようとしていたこと、出来なかったことを俺はしなければならなかった。それが務めだ。

その後、何故かざるそばの早食い勝負に付き合わされつつ、俺は炎柱の最期を知った。
炎柱、煉獄杏寿郎。彼は真なる柱だった。
死してなお、炭治郎や他の隊士の柱として支え続けている事実に、俺は自らの体たらくを恥じた。俺も柱ならば見習わねばなるまい。

「うまい!!」
「いや、それは義勇さんには合わないかと」

ひとまずざるそばに舌鼓を打ってみたが、違ったらしい。俺と炎柱は違う。何もかも。
あの燃えるような情熱を持った真っ直ぐな男を懐かしく思う。柱の中でも彼は柱だった。


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