佐々木「クリスマスだね」キョン「そうだな」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 22:19:16.73 ID:MFd4PAJFO
「缶コーヒーを開ける時も離さないとはね」

片手で器用にプルタブを開けて見せた俺にやれやれと呆れつつ、佐々木は自分用のカフェオレを差し出してきた。俺が何も言わずに開けてやると、満足そうにくつくつと笑った。

「なんだかいつもよりも甘い気がするよ」

奇遇だな。俺のブラック無糖のコーヒーも、焙煎が素晴らしく、豆の甘さを感じるぜ。

「クリスマスだね」
「そうだな」

もしもこの世に本物のサンタクロースが居たとしてもこれ以上のプレゼントはそれこそどんな魔法を使ったとしても用意出来まいと、俺は確信を持って言える。ざまあないな。

「やけに嬉しそうじゃないか」
「気のせいだろ」
「では、確実に君を悦ばせてあげよう」

そんな不穏なことを不敵なくつくつ笑いと共に告げてきた親友にちょいちょいと手招きをされて、俺は待ってましたと言わんばかりに期待に胸を膨らませつつ、耳を傾けた。

「実はさっき、君に大声で呼ばれたときに、びっくりしてちょっと漏れた」
「フハッ!」

やれやれ。懲りないね、俺も佐々木も。

「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

ぎゅっと手を繋ぎあって、気が触れたように哄笑する俺と、くつくつ笑う戦犯佐々木。
寒空にこだまする2人分の愉悦という名の嗤い声は多幸感を与えてくれて、サンタとやらが良い子にしか姿を見せないのならば、俺はずっと悪い子のままでいいと、そう思った。


【キョンと佐々木の聖夜】


FIN


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