【咲-Saki-】京太郎「たのしい宮永一家」【微安価】
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38: ◆copBIXhjP6[saga]
2021/01/24(日) 04:32:10.19 ID:lISAVCs00
十二年前―――メイが母親を失った直後にはキョータローもずいぶん参った様子で、私とテルは残されたメイを何かと気にかけていた。
まだ小学生にもならないメイを助手席に乗せて大阪まで遊びに行ったのは、つい昨日のことにすら感じられる思い出だ。
しかし今私の横に座る少女はもう高校一年生、私と『彼女』が初めて会った時と同じ歳になっていた。

淡「ごめんね、私も全然わかんないや」

淡「でもそうだとしても大した事じゃないと思うよ。教育方針がどーとかこーとかそういう話じゃないかな?」

淡「キョータローはその辺適当だからさ、テルも結構メイのこと気にしてて―――」

嘘だ。テルがそんなことのために、キョータローとわざわざ墓地なんかで立ち話をしようとするだろうか?余程聞かれたくないことでもあるのか。


 「お前が咲を見殺しにしたんだ!!!!」

 「違うんです、照さん!俺は......ならどうすれば良かったっていうんですか!」

 「そんなこと知らない!お前が殺した!!お前が咲をッ!お前がッ!お前がぁぁぁぁぁああああッ!!」

 「テル、やめて!!ちょっと落ち着いてほら......キョータロー、大丈夫?」

 「照さん......俺、だって.........」

 「俺は............」

 「......きょうた、ろう.........」


―――嫌な記憶が思い起こされる。あの日も私たちは皆黒い服を着ていた。


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