【咲-Saki-】京太郎「たのしい宮永一家」【微安価】
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47: ◆copBIXhjP6[saga]
2021/01/24(日) 04:43:05.30 ID:lISAVCs00
【現在】


――― 宮永家菩提寺 墓地


京太郎「つまり何が言いたいんだ」

京太郎「明が母親の......咲の真似をしてるってことですか」

照「ううん、あれは『咲の真似』なんかじゃない。『咲』そのもの」

京太郎「.........すみません。俺にはあなたの言ってる意味が本当に解らない」

京太郎「明は明だ。それ以外の何者でもないし、ましてや咲そのものってどういうことなんだ」

黒のネクタイを締めた黒のスーツ、黒のコートを身に纏った義理の弟の顔には明らかに苛立ちが浮かび上がっていた。
理解できない苛立ちだろうか。理解してしまったが故の苛立ちだろうか。彼は白髪の混じり始めた金髪を掻き毟って、

京太郎「............火、忘れちまった」

照「はい」スッ

京太郎「いいんですか?嫌いなのに」

照「頭がスッキリするんでしょ。真面目に聞いてもらえないと困る話だから」

京太郎「そんなのまやかしだ、ってよく言いますけどね......ふぅ」

私は線香用に持ってきていたライターを懐から差し出した。
『タバコを吸えば目が覚める』というのはまやかしで、真っ赤な嘘であるという主張は妥当なものだ。
ニコチンが欠乏したせいで途切れている集中力が喫煙によって本来のレベルまで回復するだけで、決して元の能力より集中力が向上するわけではない。
しかし少なくとも彼がこうして続きを聞くつもりになってくれたのは、紛れもなくその口元から燻る紫煙のお陰だろう。


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