28: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/01/27(水) 21:04:55.30 ID:Uw1Hn3HT0
 愛莉「っと、明日の練習休みってグループにメッセージ送っとかないと」 
 雫「明日は練習しないの?」 
 愛莉「明日は私、用事あるのよ」 
 雫「……どんな用事?」 
 愛莉「あー……えっと……」 
29: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/01/27(水) 21:05:48.91 ID:Uw1Hn3HT0
 〜〜 
  
 遥「……なんだか不思議な感じ。学校の階段に並んで座って、二人で話すなんて」 
 みのり「ほ、ほんとにここでいいの?誰かに見つかったら拙いんじゃ……」 
 遥「屋上の扉の目の前なんて、ほとんど人も来ないし。それに……外じゃ、みのりが逃げ出しちゃうでしょ」 
30: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/01/27(水) 21:06:27.18 ID:Uw1Hn3HT0
 みのり「……自分でもよく分からないの。いつも通りに話してるはずなのに、すごく嬉しくなったりドキドキしたり」 
 みのり「前もきっとそうだった。でも、今はそれとは違う気がするの。……少し、痛いから」 
 遥「……痛い?」 
 みのり「……うん。こんな気持ちを持っていていいのかなって、勘違いなんじゃないかなって、考えちゃって」 
 遥「……やっぱり、そこなんだね」 
31: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/01/27(水) 21:07:01.54 ID:Uw1Hn3HT0
 みのり「遥ちゃん……」 
 遥「……それでもきっと、みのりは不安だろうから……答え合わせをしようか」 
 みのり「答え合わせ?」 
 遥「そう。私の思う特別と、みのりのその気持ち。何が違って、何が同じなのか」 
 遥「……それが分かれば、安心できるでしょ?」 
32: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/01/27(水) 21:07:33.08 ID:Uw1Hn3HT0
 遥「……こうして手をギュッとしてると、さっきよりもドキドキするね。……でも、ちょっとだけ安心する」 
 遥「みのりはどうかな。……痛みはない?」 
 みのり「……ちょっと、楽になったかも」 
 遥「良かった。もう少し、こうしてるね」 
  
33: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/01/27(水) 21:08:08.41 ID:Uw1Hn3HT0
 遥「みのり、こっち向いてみて」 
 みのり「……ん、っと。こう?」 
 遥「そう。……ちょっと触るね」 
 みのり「……っ」 
 遥「……わ、すごくドキドキしてるのが分かる」 
34: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/01/27(水) 21:08:39.43 ID:Uw1Hn3HT0
 遥「……近付くとぽかぽかして、離れると少し淋しい」 
 遥「一度知ったらずっと忘れられなくて、また欲しくなって」 
 遥「……ずっとそうだったの」 
 みのり「遥ちゃん……」 
 遥「みのりは、どう?」 
35: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/01/27(水) 21:09:09.47 ID:Uw1Hn3HT0
 みのり「……もし」 
 みのり「……もしも、出来るなら」 
 みのり「このまま離れないでいたい。このぽかぽかした気持ちだけ、感じていたい」 
 みのり「きっとこのあと、遥ちゃんは帰っちゃう。そうしたら私、また淋しい気持ちになっちゃうの」 
 みのり「……もう淋しいのはイヤ。ずっとずっと、一緒にいたいよ……っ」 
36: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/01/27(水) 21:09:36.96 ID:Uw1Hn3HT0
 遥「……、…………」 
 遥「……やっと、言ってくれた」 
 みのり「……遥ちゃんっ……」 
 遥「うん……うん。私も、離れたくない。ずっと、こうしてみのりと一緒にいたい」 
  
37: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/01/27(水) 21:11:05.20 ID:Uw1Hn3HT0
 遥「……ぷぁ。ふふ、少し跡がついちゃったかな」 
 みのり「今、胸に……」 
 遥「……私とみのりが特別って証。明日、また付けてあげる」 
 遥「どう?……これで明日まで待てる?」 
 みのり「……まだ、足りないかも」 
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