12: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:11:10.80 ID:wEzeH4cQ0
◇
次の日の朝、私はクローゼットからスーツを出していた。
ごく最近まで着ていたはずなのに、私にはそれが新鮮に見えた。
胸がチクリと痛んだ。
黒色のスーツに身を包んで、私は家を出た。
昨日と違って、空は晴れ晴れとしていた。
日差しは夏のように鋭くて、思わず手で陰を作る。
その眩しさは、私が密かに持っていた淡い期待を、胸の一番奥へ追いやってしまうのには十分だった。
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