29: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:25:05.98 ID:wEzeH4cQ0
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僕は、フロントに鍵を預けて、ホテルの外へ出た。
眩しい日差しに、思わず身が引き締まる。
僕は学生服の詰襟を留めた。
午前八時半。
参考書の入った鞄を提げて、僕は見知らぬ街へと歩き出した。
携帯にイヤホンを繋いで、ミュージックアプリを起動する。
履歴の一番上にある楽曲を見つけて、再生ボタンを押した。
僕の耳元に触れるように、穏やかで透明な旋律が通り抜ける。
それは、珊瑚の咲く暖かな海を思わせた。
そして、それに続くように彼女は歌う。
水晶の玉のように透き通った、優しい歌声。
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