【ガルパンSS】エリカ「彼女が望んだ忘れ物」
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1:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:43:09.73 ID:S9RXO5Th0

『おはよう』

『こんにちは』

『こんばんは』

『ごめんね』

『ありがとう』

『楽しかった』

『またね』

『ごめんなさい』



『さようなら』




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2:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:44:43.65 ID:S9RXO5Th0

学校の怪談。

古今東西あらゆる学校にはそこにちなんだ怪談話の一つや二つあるだろう。

以下略 AAS



3:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:45:18.94 ID:S9RXO5Th0




夕日の差し込む教室の中、私は一人机に向かって教科書と向き合っていた。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:45:50.56 ID:S9RXO5Th0

「何よエミ。西住隊長はここにはいないわよ」

「いや今はエリカが隊長でしょ!!」

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:46:29.59 ID:S9RXO5Th0
「……幽霊、ね」

どこか呆れの混じった私の声に、小梅は縋りつくような表情を向けてくる。

「馬鹿みたいって思うかもしれません、信じられないって、当然です。でも……でもっ!!私見たんですッ!!」
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:47:20.17 ID:S9RXO5Th0




 小梅の話を要約するとこうだ『放課後の車庫に忘れ物を取りに行ったら、自分以外誰もいないはずの車庫に人がいた』。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:48:04.06 ID:S9RXO5Th0

「エリカ、どこいくの?」

「車庫。とりあえず実況見分よ」

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:48:38.54 ID:S9RXO5Th0



さて、そんなこんなで車庫へと来た私は中を一通り探してみたが、どうにも人影になりそうなものはない。

以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:49:09.28 ID:S9RXO5Th0
「え?」

視線の先、シャッターから入ってくるのは夕日のみ。

なのに、目の前には『何か』がいた。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:49:42.10 ID:S9RXO5Th0


真っ黒で陰影の無い平面の影がその格好をしているのだと思うに至った最大の理由は、彼女(スカートをはいているので女性と判断する)の頭に突起のような湾曲が出来ていて、

そのラインは私たちが良く見ているもの――――パンツァージャケットと合わせる略帽のものによく似ていたからだ。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:50:20.41 ID:S9RXO5Th0

彼女が近づいてくる。

小梅の言っていたようにコマの飛んだアニメのように不気味な歩みで。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:51:16.93 ID:S9RXO5Th0





以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:52:05.41 ID:S9RXO5Th0


『彼女』にとって、二人は鮮やかだった。

制服と同じ、灰色の世界に足された二色の絵具だった。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:53:08.64 ID:S9RXO5Th0


学校で、喫茶店で、コンビニで、練習場で。

色々な記憶が巡っていく。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:53:41.31 ID:S9RXO5Th0


『……』

その子は、車庫で一人佇んでいた。
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:55:18.97 ID:S9RXO5Th0

つま先からやすり掛けされているかの如く『彼女』は摩耗していった。

逃げ出そうとする足に、鎖のように絡みつく想い出が『彼女』を更に苦しめていた。

以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:56:02.03 ID:S9RXO5Th0

『こんな、こんな事ならいっそっ……』


震える彼女の声が、その先を紡ごうとした時。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:56:57.00 ID:S9RXO5Th0


次に、冷たいコンクリの床を這うよう映す映像。

画面の手前側から真っ黒な何かが水たまりのように広がっていく。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:57:30.33 ID:S9RXO5Th0




「……………………っ!?」
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:58:02.19 ID:S9RXO5Th0




捨てたのではない。
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:58:40.65 ID:S9RXO5Th0


「あなたは……どうしたいの?」

それは、頷きだけじゃ答えられない問いかけ。
以下略 AAS



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