底辺映画監督唯一の名作 〜そしてそれに連なる窮屈で退屈な続編達〜
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3:名無しNIPPER[saga]
2021/05/03(月) 21:08:46.52 ID:U1gqLcRo0

 その心の振れるベクトルに関係なく、ただただその振れ幅の絶対値のみを黒澤は追い求めた。結果、黒澤の作る映画はまるでジェットコースターのように展開が空転し、歪でチグハグなものとなってしまうのである。

 黒澤は、映画の続編が嫌いであった。それは、そもそも続編ありきで撮られた作品ではなく、人気の出た作品で後々に続編が作られるといった類のものだ。『2』はまだいい。だが『3』はダメだ。

「たたき上げの名作、洗練された二作目。そしてそれに連なる窮屈で退屈な続編達」

 これは、ダメなほうの黒澤の言である。黒澤は、続編が面白くなくなる原因を「商業主義」であると断じている。続編は、常に「前作」や「売上」という期待に縛られている。そこに自由な発想が入り込む余地は少なく、結果として前作をなぞる窮屈で退屈な作品ができあがるのだ。

 では、そうして出来上がった駄作は誰の責任であろうか。それは、映画を作った制作陣ではなく彼らをしばりつけたスポンサーや観客たち、映画を売り買いする商業主義者達にこそあると黒澤は嘯く。そして、「罪を憎んで人を憎まず」とばかりに「商業主義」を憎むようになった。

 結果、黒澤の作る映画は観客に見せることを放棄した独りよがりで益々つまらないものへ成り果て、誰一人として感動させることのできない駄作と罵りをたわまることとなったのである。


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