【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
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443:いぬ ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/06/26(土) 16:44:26.08 ID:erES689l0
「充実した夏になったな」
「うん、そうだね……」


 少し眠そうなマヤノの背中を押しながら、バスに押し込む。

 どうやら合宿最終日は興奮のあまり眠れなかったらしく、かなり遅くまではしゃいでいたらしい。

 俺も子供のころは、旅行に行くとき、帰るときは興奮してうまく寝付けなかったからな……。マヤノの気持ちは良く解る。


「ね、トレーナーちゃん。肩かりていーい?」
「……ダメと言ってもマヤノは借りるんだろう?」
「せーかい」


 こてん、と。肩にマヤノの頭が乗っかる。ふわりと、柔らかな匂いが香る。

 しょうがない子だ、と思いながら、これはこれで役得な気がしてならない。

 それに――こうしてマヤノと触れ合える時間もこれが最後となるかもしれない。京都JSに勝てなければ、俺はこの世界から消えるのだ。

 しかも恐らくは、マヤノ以外が俺の記憶を失うという形で。

 それはきっと、自惚れでなければ、マヤノにとってつらい世界になるはずだ。できれば勝ちたいが――必ず勝てるわけでもない。勝負の世界とは何が起きるかわからないからだ。

 もし負けた時、俺が彼女に与えることができるのは、たった一つ――思い出だけだ。時がやがて悲しみを癒し、真にマヤノが笑えるようになるまで、薪のようにくべられ、マヤノの孤独を癒してくれるような、思い出だけ。

 もし離別の時後悔しないで済むように。

 浜辺で砂の城を形作るみたいに、今彼女が望むことを重ねていくことしか俺にはできない。


「なんだかネガティブな考えになってしまうな」
「……んぅ」


 すやすやと寝息を立て始めるマヤノの姿を見て、おっと、と心の中で漏らす。

 疲れているなら起こさないほうがいい。マヤノは夏合宿中も頑張ってくれたのだし、せめて穏やかに眠れるように気を払うのはトレーナーとして当然の心構えだろう。


――やけに風が騒がしい夏が、今終わった。


―――


トレーナー「夏合宿が終わって、トレセン学園にいつもの日々が戻ってきた――。京都ジュニアステークスまであと少し、最終調整に入る頃合いだろうな」

トレーナー「……不安になるな。マヤノなら、俺の些細な表情の機微を感じ取ってしまう。それで彼女のコンディションを崩すようなら、俺はトレーナー失格だ」

トレーナー「動け――」

トレーナー「何事も、為さねば為らぬ。精神一到何事か成らざらん……」

トレーナー「よし。今日も頑張るか」

トレーナー「何をしようかな」


―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得/脚質上昇/その他(良識の範囲内で自由に)
※京都JSまであと2ターン(当ターンを含む)


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