【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
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495:いぬ ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/06/27(日) 13:55:07.94 ID:dv+FPjD+0
―――

「一着はマヤノトップガン! 他のウマ娘を寄せ付けない走りッ! このウマ娘に敵うウマ娘は果たして存在するのか?!」


 実況の声がどこまでも高らかに響き、観客の歓声が耳朶を打つ。

 そんな中俺は、マヤノの姿に釘付けになっていた。

 何処までも美しく、それでいて強健な走りだった。とてもじゃないが、メイクデビューの時の彼女とは比較できないほどに成長している。

 一番間近で見ていたのに、どうしてだか気付いていなかった彼女の成長。自分の不出来に、諸手を上げて喜ぶことはできなかった。――でも、マヤノトップガンはきっとこれを望む。

 裏バ場に入ったタイミングで、マヤノを探す。あちらも俺のことを探していたようで、直ぐに目が合った。


「マヤノ――! よく頑張った!」
「トレーナーちゃん! マヤの走り、ちゃーんとみてくれた?」
「ああ、ああ――!」
「えへへ、トレーナーちゃんってば……そんなに嬉しかったんだ?」


 興奮して、マヤノの手を握りながら熱弁してしまったことに今更気付く。

 慌てて離すがもう遅い。マヤノは嬉しそうにほほ笑んで――抱き着いてきた。

 冬場だというのに高い体温、高揚の為か抱き着く力がいつもより強い。……普段通りを取り繕ってはいるが、マヤノも大概嬉しいんだろうな、と察知する。

 だから、そっと俺は彼女の頭に手を置いた。レースで少し乱れてしまった髪を元に戻すように、優しく。

 目を細め、ぐりぐりと胸元に頭をこすりつけるマヤノ。普段はあんなにオトナの女性を目指しているのに、こういうところは本当に子供と変わらない――。そこが可愛らしく、放っておけないところでもあるのだけれども。


「……まーたやってますなぁ」
「――! ナイスネイチャか……」
「はーい、ナイスネイチャですよ〜。あ、なんでここに来たのかって思ってます?」
「……ああ、なんだか突然だな、と思って」


 マヤノが膨れている。ちょうどいい所を邪魔されたからだろうか。

 ただ、彼女がこのタイミングで近寄ってくるのには理由がある。特にこの子――ナイスネイチャの性格ならば、本当に。


「……おアツいですな、お二方。でもここであんまりイチャイチャしてると……ほら、あっちの子なんか凄い目で見てる……」
「……。前にもこんなことあったな」
「たはは〜。気を付けたほうがいいと思うんですけどね、アタシは」
「……忠告、感謝する。とりあえず場所を移そうかな。――それに、話はそれだけじゃないんだろう?」


 そういうと、ナイスネイチャは驚いたように目を見開く。


「……なんでも"わかっちゃう"子には、"わかっちゃう"トレーナーさんがついてる、って訳かー」
「……やっぱり用があったんだな」
「まったく、困っちゃいますよ。――はい、用事、あります」
「じゃあ、後の話は控室で」


 俺たちはそのまま、ウマ娘控室に向かった――。


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