【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
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565:いぬ ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/07/01(木) 21:43:20.48 ID:6xxdwZzC0
 切り取ったみかんの一切れをマヤノの口に持っていくと、ぱくり、と小さく口を開いて食べる。なんだか雛鳥の餌付けを思い出す光景だ。今の体勢からすると、どちらかというとマヤノは亀っぽく見えるが、それは置いといて。

 みかんを食べ終えたマヤノは、そのまま俺の体を掴んで、よじ登るように足の間にすっぽりと収まった。もぞもぞと僅かに動いて、最も収まりが良い場所に来ると尻尾をぱたり、と俺の太腿にかける。

 マヤノがそうなったら、彼女の頭を撫でる。それがなんとなく、直近のルーティーンになっていた。


「トレーナーちゃん、トレーナーちゃんって紅白派なんだ」
「……ん? ああ、いや。年末は特にテレビとか見てなかったし、どの番組を見なきゃいけない、ってわけじゃないよ。何というか、歌が一番無難かなって思っただけ」
「そっかー。マヤもあんまりテレビって見ないし……」
「今はスマホがあるもんな」
「ねー」


 マヤノの神を撫でるついでに、髪に指を通す。するりと指と指の間をすり抜ける髪の毛。いつだってマヤノの髪の毛は整えられていて、撫で心地が良い。かなり手入れされているのだろう。

 ふと、クリスマスプレゼントを渡していないことを思い出す。これだけ髪の毛が長ければ手入れも大変だろうし、少しでも楽になるものを選んで送ってあげようかな。


「トレーナーちゃんの撫で方って、あんまり上手くないよね」
「……。そう、なのか……?」
「マヤは好き! それに……上手かったらそれはそれでなんかヤだし……」
「……? よくわからんな……」
「あ、トレーナーちゃん! この人トレセン学園の先輩だよ!」


 そんな他愛ない会話を繰り返す。クリスマスの日の出来事なんて、もう影もないくらいにお互いの距離は近かった。



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