【シャニマス】芹沢あさひ(17)「わたしも、変われてるっすか?」
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2:名無しNIPPER
2021/07/15(木) 20:31:26.52 ID:zC+4wYex0
 十で神童、十五で才子、二十過ぎればただの人。
 誰に言われたわけでもないけど、誰かに言われたように、いつからか頭の中にこびりついている。

 自分で、自分は他の人と違うということは理解していたけど、自分を神童や天才と思ったことはなかった。でも周りがそう扱っていると、次第に自分の中でもそういう気になってくる。
 扱ってくれていたけど、どこかでそれは「芹沢あさひはまだ幼いから」という前提がついてくる。私は中学生だった。だからすごかった。

 高校の制服は少し大きくて、スニーカーはキツい。1.6メートルの空間に存在する感覚は対照的で、わたしの身体はあべこべだった。

「おつかれ、あさひ」

 事務所の扉を開けると、寒すぎるくらいの冷房が顔に吹き付けてきた。でも銀行とかの方が涼しい。健康的な温度設定だ。もっと冷えててもいい。襟の中が冷たくなって、想像よりも汗をかいていたことを知る。

「おつかれさまっす」
「稽古どうだった?」
「普通です」

 プロデューサーさんは自分の席に座っていたので、あんまり近づかないようにしながらキッチンに向かった。冷蔵庫を開けてみる。

「プリン食べていいぞ」
「うーん」

 喉が渇いた。プリンはなんだかコッテリしてる気がして、頷くだけ頷いてすぐ閉めた。後で醤油と混ぜよう。コップを取り出して冷凍庫から氷を掬い、水道水を入れる。


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