【シャニマス】芹沢あさひ(17)「わたしも、変われてるっすか?」
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34:名無しNIPPER
2021/07/18(日) 20:20:08.98 ID:tOOq6fiR0
 事務所の階段を登っていると、愛依ちゃんのスマホが鳴った。

「あ、冬優子ちゃんだ」

 コンクリートの階段は涼しくて、この石には熱を吸収する効果があるんじゃないかと思う。触ってみたらひんやりしてて、わたしの手のひらの熱は吸収された。
 愛依ちゃんが事務所のドアに手をかけながらわたしの顔をみた。

「あさひちゃん、いまスマホ持ってる?」
「あー」

 そういえば昨日から触ってない気がする。SNSを見ようとも思わなかった。見るものが溜まってるかもしれない。普段なら陰鬱な楽しさを感じることなのに、今日はそれが億劫に思えた。なんでだろう。
 リュックの中をまさぐってもスマホは見つからなくて、代わりに2週間前に駅前でもらったチラシが出てきた。新しいバーが開店するらしい。未成年なのにもらっちゃった。

 事務所の忘れ物ボックスを覗いてみると、わたしのスマホが大人しく座っていた。そういえば果穂ちゃんと話してた時、机の下に投げっぱなしだった。お待たせ。

 1日ぶりに画面に光を灯してあげると、ツイスタの通知が99件と、冬優子ちゃんからのチェインが溜まっていた。
 どっか連れてってあげるから、都合がいい日を教えて、とのことなので「月曜日とかがいいです」と返信しておいた。冬優子ちゃんとお出かけだ。楽しみ。日程は正直どこでもいい。稽古がある日ならいつでも行ける。

「あさひちゃー、アイスのゴミー」

 愛依ちゃんと予定が被ることはないと、これまでのことでわかってたから、誘いはしなかった。

「はーい」

 左手に持ったアイスの棒は、何も書かれていないシンプルなデザインだったけど、噛み跡が付いて歪んでいた。


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