【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】
1- 20
916: ◆xjSC8AOvWI[saga]
2022/02/13(日) 20:16:28.41 ID://+wdQQU0


 その時、地面を踏みしめて誰かが走ってくる音が聞こえた。

 暁美だ。ずっと全力で走ってきていたからか息を切らしていたが、まどかの姿を見ると大きく息を呑んで、呼吸するのも忘れたかのように崩れ落ちた。


まどか「わたしの願いは、『魔女になっても誰も傷つけないこと』『“わたし”のままでみんなと話せること』」

まどか「みんなが教えてくれたからこうやって願えたんだよ」


 見てみれば、あの攻撃で限界だったのだろうか。胸元の宝石はすでに黒に染まりきっていた。

 表面には罅が刻み込まれ、次第にその数は増えていく。それでもまどかは穏やかに話し続ける。


まどか「約束をしてくれる? ほむらちゃん。“次”に行って……もう一度、ううん。ほむらちゃんが本当に納得できる結末になるまではやりなおして」

まどか「とても残酷な頼み事だと思う。重たすぎる枷で縛ることになると思う」

ほむら「何を言って…… 今の自分はどうでもいいっていうの?」

まどか「わたしの思いは次につなぐ。わたしが願ったことは、いつかのわたしがきっと叶える。……繰り返したら、わたしの素質は増えるんだよね?」


 暁美は図星を突かれたという顔をした。それもキュゥべえと話す中で確認をしたんだろう。


まどか「人間が願うことが傲慢なら、神様にでもなんでもなる。いつか……そのときは…………」


 罅から中のものが溢れ出して、砕け散った。

 溢れ出したものが黒い形を描いていく。世界を滅ぼせる力を持った魔女。

 ワルプルギスよりも更に凶悪な巨体なのに、不思議とあの時感じた威圧感のようなものは感じなかった。


 ――――『ほむらちゃんのこともみんなのことも助けてあげるから。だから絶望しないで。これから先わたしがどうなっても、ほむらちゃんのせいじゃない』


 傍には意識のない身体が転がっていた。


ほむら「うあぁぁぁぁぁぁぁあああ!」


 絶叫するような泣き声が響き渡る。


小巻「何をするか、知ってたの?」

小糸「……うん。昨日一緒に話した時に。最終手段だってことだったけど」


 まどかがこうなったことについて、何かを言う気にはなれなかった。

 あたしだってワルプルギスと戦ってる時、自分よりも他の人が助かるならいいって思ってた。


 同じことを考えていたから。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
936Res/628.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice