【アサルトリリィ】比呂美「復讐の先にあるもの」
↓ 1- 覧 板 20
1: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:04:25.49 ID:Uwx4nLcro
紅巴(あっ……見つけました! 『白薔薇の誓い』スピンオフ本!)
紅巴(復讐に燃える不器用なお姉様と、それに付き添う義妹ちゃんの馴れ初めが濃厚に描かれた期待作。最後の一冊だなんて、土岐はついてます!) パァァ
スッ
「あっ……」
紅巴「はぅぅっ! 妄想に耽って先を越されるだなんて土岐、一生の不覚っ……! いえ、いいんです。早いもの勝ちは暗黙の了解───え?」
比呂美「あなた……紅巴、さん?」
紅巴「ひ……比呂美、様……」
比呂美「こんなところで出会うなんて偶然ね。まだあの時のお礼をちゃんと言っていなかったから、一度会って話をしたかったの」
紅巴「あ、あのっ……!」
比呂美「姉さんの仇を取ってくれてありがとう。もっとも、あなたにとっては会いたくなかっただろうし、迷惑だったかもしれないわね」
比呂美「この本はあなたに譲るわ。たまたま手に取っただけで、買おうとは思ってなかったから」
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:05:15.53 ID:Uwx4nLcro
紅巴(ど、どうしましょう……! 比呂美様に言いたいこと、たくさんあるのに……!)
比呂美「定盛さんや他のメンバーにもよろしくね。それじゃあごきげんよう紅巴さん、あなたの前には二度と現れないから……」
3: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:06:00.69 ID:Uwx4nLcro
比呂美「……美味しいわね。ここのお店はよく来るのかしら」 ズズ
紅巴(はぅぅっ……き、気まずいっ……! どうしてこんなことに……)
4: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:06:31.98 ID:Uwx4nLcro
紅巴「そんなの、悲しすぎますっ……!」
比呂美「退屈を紛らわせるために、絵画や本に手を出してみたけれど……どれも復讐以上にわたしの心を滾らせるものはなかった」
5: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:07:05.81 ID:Uwx4nLcro
比呂美「はぁ……分かったわよ。どうせわたしには拒めないのだから、好きになさい」
紅巴「はい! では、さっそくわたしの部屋に来てください。『白薔薇の誓い』最新刊まで、すべて取り揃えていますからっ!」
6: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:07:52.05 ID:Uwx4nLcro
─────
比呂美「……なるほど、ベストセラーになるのも分かる気がするわ」 ペラ
7: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:08:24.79 ID:Uwx4nLcro
灯莉「やっと訓練が終わった〜! 定盛、ぼくマカロン食べた〜い☆」
姫歌「何言ってるのよ灯莉、これからアイドルリリィの広報に行くって言ってたじゃない。それとひめひめって呼びなさいよね!」
8: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:09:13.16 ID:Uwx4nLcro
姫歌「彼氏!? 誰に! 紅巴に!?」
姫歌「絶対に騙されてるわ!! 紅巴はあんなにお人好しだもの!!」
9: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:10:22.16 ID:Uwx4nLcro
灯莉(あれ〜? とっきーのいい人、男の人じゃないね。それにどっかでみたことあるよーな気がするけど……)
姫歌(げっ……!? あそこにいるの、比呂美様じゃない!)
10: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:10:58.53 ID:Uwx4nLcro
紅巴「あのっ、比呂美様。わたし、この前の猫カフェにもう一度行きたいです。もちろん比呂美様がダメじゃなければ、ですけれど……!」
比呂美「……紅巴さん。グラン・エプレのみんなは好き?」
11: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:12:37.96 ID:Uwx4nLcro
紅巴「ぐすっ、わ……わたしのせいですか……? ダメなところ、直しますからっ……だから、比呂美様……!」
比呂美「いいえ、わたしはあなたのおかげで十分立ち直れたわ。感謝してもしきれない……だからもう、わたしに構う必要はないのよ」
12: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:13:15.37 ID:Uwx4nLcro
比呂美「……わたしはかつて紅巴さんを危険な目に合わせたわ。あなた達はきっとわたしが憎いはず」
比呂美「そのわたしが、あなた達の紅巴さんを独り占めにする資格なんかない。きっと紅巴さんにとっても、あなた達といた方がいいに決まっているわ」
13: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:13:50.36 ID:Uwx4nLcro
比呂美「あ……どうして、かしら」 ポロ
比呂美「涙なんて、姉さんを殺された日に……すべて流し切ったと思ってたのに。悲しくなんか、ないのに」
14: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:14:39.18 ID:Uwx4nLcro
─────
灯莉「ロシアンたこ焼き、ぼくがいっちば〜ん! ありゃ残念、ふつーのタコさんだ〜。次はとっきーね!」
15: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:15:24.17 ID:Uwx4nLcro
灯莉「とっきー、ひろみせんぱい。今日はすっごく楽しかったね〜☆」
紅巴「はい。わたし、お二人や比呂美様とご一緒できて本当によかったです!」
16: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:15:56.57 ID:Uwx4nLcro
比呂美「今までずっと気配を感じていたわ。わたしに話があるのでしょう?」
叶星「はい。グラン・エプレの隊長として、紅巴ちゃんのことでお話をさせて頂いてもよろしいですか?」
17: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:16:25.32 ID:Uwx4nLcro
叶星「紅巴ちゃんは知っての通り、とっても人見知りです。人付き合いもグラン・エプレのメンバーや一柳隊の二水さんぐらいで……」
叶星「このままじゃきっといけない。そう思っていた矢先に、またあなたが現れたんです」
18: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:16:53.62 ID:Uwx4nLcro
比呂美「話は……もう終わりかしら。ならこれから用事があるから、失礼するわね」 クル
高嶺「いいえ───まだ終わってないわ」 ガシ
19: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:17:29.64 ID:Uwx4nLcro
叶星「そんな……比呂美様、せめて理由だけでも伺ってよろしいですか? このままだと紅巴ちゃんが心配してしまうわ」
高嶺「またそんな強情を……! この際はっきりと聞きますが、あなたは紅巴さんのことをどう思っているのですか?」
20: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:18:00.19 ID:Uwx4nLcro
高嶺「つまりあなたは……死に場所を求めて無謀な出撃を繰り返していた、というわけですか?」
叶星「たとえ比呂美様が傷ついても、紅巴ちゃんは決して喜んだりしません。そんなことは分かっているはずです!」
21: ◆0OFFzs.gSU9k[saga]
2021/08/16(月) 15:18:39.54 ID:Uwx4nLcro
高嶺「! さっきの声、まさかあの子達が───!?」
叶星「ヒュージ警報! すぐに助けに向かいましょう、高嶺ちゃん!」
34Res/33.36 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20