92: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2021/08/24(火) 22:13:05.27 ID:lF0ws9bq0
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辻野家・リビング
あかり「さっきも聞きました。来年じゃなくても実るまでがんばります」
若葉「更にわかったことがあるんです。裏山は人の手で盛られました」
あきら「それは記録通り」
りあむ「今考えると良く見たら気づけるような感じもする。やたらに綺麗だし」
若葉「裏山は土というよりは砂利と石がたくさんでした」
千夜「封印のための重りだから、でしょうか」
若葉「草は生えていますけど、木は生えていません」
亜里沙「時間は多くあったのに」
奏「本当は、崩れていてもおかしくないくらい」
芳乃「封印がつなぎとめているようでしてー」
あかり「根がはってるわけではないんですね」
りあむ「つなぎとめてるのはおまじないか。しめ縄とかお札とかたくさん埋まってそう。うん、気持ち悪いな」
若葉「根がつなぎとめてるのは、土だけじゃありません」
あかり「わかります」
若葉「森は実りです。水を貯め、空を形に変え、落ちた葉が次の葉を育てます」
りあむ「空を形に変える……光合成のことかな」
若葉「土地はそんなに弱くないはずなんです、封印も解けてない怪物なんかに負けません」
千夜「……けれど、そうではない」
あきら「弱い理由がある」
若葉「封印は土地の力も使ってるみたいです」
椿「農地として使わせなかったのは、そのためでしょうか」
奏「そうかもしれないわ」
亜里沙「どこまで考えていたのでしょう、聞いてみたいわね♪」
あきら「いずれにせよ結論は」
あかり「封印してるだけじゃ、だめです」
あきら「それじゃ、変わらない。何時かまた起きる」
若葉「畑も戻らないかもしれません」
りあむ「人間の命は短いんだよ!そんな解決策はだめだよ!そもそも、封印すら引き継がれてないじゃないか!」
亜里沙「その通りです」
あかり「……だから、別の方法が必要です」
亜里沙「あかりちゃん、どうぞ」
あかり「ハーピーを倒して、封印もなくさないといけないです」
亜里沙「どうして?」
あかり「父ちゃんとお母ちゃんと、ここに戻るためです」
亜里沙「よくできました♪惠ちゃん〜」
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