19:名無しNIPPER
2021/09/04(土) 06:35:58.59 ID:KeH5AdMi0
サヤさんはふと言いました。
「うーん。お化け屋敷だと思って入ったのですが、なかなかおばけが出てきませんね」
「ええ、そうですね」
私は無駄に明るい城内を歩きながらあたりを見渡しますが、お化け屋敷にありがちな骨やガイコツのようなものは見当たりません。
「サヤさん、ここは本当にお化け屋敷だと聞いたのですか?」
サヤさんに問いかけると、サヤさんはそりゃあもちろん。と頷きます。
「間違いないですよ。受付の人もお化け屋敷だと言ってましたし、名札にもそう書いてあったのですから。間違えるはずはありません」
「そうですか」
すると、歩いていく先に何やら扉のようなものが見えてきました。
「サヤさん、扉が…」
今まではただの道案内だったということでしょうか。
「これから怖いおばけが待っているということなんですかね」
サヤさんは少し怯えたように震えましたが、一本道になっているので、扉を開けるしかありません。
「行きますよ、サヤさん」
私は少し意気込むように自分にも言い聞かせながら、先の景色を見ようとギィッと音を立てて扉を開けるのでした。
35Res/36.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20