26:名無しNIPPER
2021/09/04(土) 16:57:38.90 ID:2qCF4mrV0
しばらく歩くと、大広間に出ました。
高さが何十メートルもあるような、とても大きな広間です。
見渡すと、分かれ道がいくつもあり、数を数えると大広間をぐるっと一周してしまいました。
「道が全部で9つもありますね。来た道を数えると10ですか」
私は杖から煙を出しましたが、あまりにも広いからか煙はひょろひょろと漂い、どこの道へと続くこともなくふらふらと上がると、やがて高い天井に見下ろされながらスッと消えてしまいました。
仕方がありません。これでは、ひとつひとつ道をつぶしていくしかないみたいですね。
「来た道が分からなくならないように、目印をつけておきましょう」
私は近くに落ちていた小石を道の入り口におき、もう一度同じ道を通らないように目印をつけました。
「行きましょう、サヤさん」
「はい」
サヤさんも決心したように歩きます。
1つ目の道ではハズレを引いてしまいましたが、行き止まりの先には、前に来たことがある人が書いたものなのか、とある落書きがしてありました。
「何やら大きな木の絵が描いてありますね」
私が言うと、サヤさんも頷きます。
「そうですね。これを描いた人は何を思ってこれを描いたのでしょうか」
やがて大広間にもどり、私とサヤさんは2つ目の道へと向かいます。
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