28:名無しNIPPER
2021/09/04(土) 17:58:37.24 ID:Xga10edY0
半分ほど道を潰したころでしょうか。
私は依然として見つからない出口に少々歯痒い思いを覚え始めており、それはサヤさんも同じようでした。
私は言います。
「置き物を見るのは楽しいですけど、そろそろ出口も見つかって欲しいものですね」
「そうですね。でももう半分を過ぎましたし、もうすぐ出口も見つかるのではないですか?」
「そうですね」
私は納得しながら次の道へと向かいます。
6つ、7つ…
その後も道を潰して行きますが、なかなか出口は見つかりません。
やがて、私とサヤさんは話すことをやめ、ただ黙って道を歩いていました。
行き止まりで見る数々の置き物にもだんだんと関心がなくなり、私は興味を示さなくなっていきました。
そして、8つ目の道に来たときでした。
私は、少し歩ききったようにサヤさんに言います。
「とうとうあと3つになりましたね。いえ、元来た道を含めるともう8つ道を歩いてることになるので、実際はあと2つですか。どちらの道が出口が賭けをしませんか?」
すると、サヤさんはふっと笑います。
「いいですよ。それではぼくは右側の方で」
「じゃあ私は左側で」
私とサヤさんは、順番通りに私が選んだ左側の道から行くことにしました。
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