【シャニマス】果穂「マイヒーロー」
1- 20
9:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:29:45.08 ID:IsY2Uyq60
「なあ、プロデューサー、明日から髪の色戻すよ」
「樹里…」
「違います!!!」
 樹里ちゃんとは全然違う、大きな声をそれでもアタシは出さずにはいられなかった。
「違います!!!樹里ちゃん!!!樹里ちゃんは…樹里ちゃんは…」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:31:31.15 ID:IsY2Uyq60
「私は…樹里ちゃんが大好きです!!!」
「果穂…」
 言った。でもまだだ、まだ足りない。ちゃんと伝えないと。誰よりも優しくて、誰よりも強い樹里ちゃんに。ヒーローみたいな樹里ちゃん。いつもアタシたちを守ってくれる樹里ちゃんを、今度はアタシが守るんだ。


11:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:32:29.58 ID:IsY2Uyq60
「樹里ちゃんは、いっつもとっても、誰にでも優しくて…ヒーローみたいで…だからアタシは大好きで…」
「…はは、こんなガラの悪いヒーローいねぇよ」
「いえ!!樹里ちゃんは…誰がなんと言おうとヒーローです!!」
「果穂…」
「そうだよな、果穂、樹里は誰より優しいもんな」
以下略 AAS



12:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:33:27.23 ID:IsY2Uyq60
「うぁぁぁぁぁぁん!!!」
「はは、泣くなよ…果穂ぉ…」
 そういう樹里ちゃんだって泣きそうなのに。いつだって樹里ちゃんはアタシたちのために泣くのを我慢している。
「でも…でも…アタシ…樹里ちゃんを傷つけて…なのに…アタシが先に泣いて…」
「違うよ」
以下略 AAS



13:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:34:16.83 ID:IsY2Uyq60
「果穂が泣いてくれたから…アタシのために泣いてくれたから、アタシは泣かずにいられるんだよ」
 どうして樹里ちゃんはこんなに強いのだろう。本当は一番泣きたいのは樹里ちゃんのはずなのに。
「ありがとな、果穂。アタシも優しい果穂が大好きだ」
「アタシは…優しくなんか…」
「優しいよ。な、プロデューサー?」
以下略 AAS



14:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:35:13.94 ID:IsY2Uyq60
「…プロデューサーさん」
「ん?どうした?果穂?」
 帰り道、いつもなら一人で帰れるけれど、今日はたくさん泣いてしまったから、それを道行く人に見られるのは恥ずかしいし、事務所的にも良くないからとプロデューサーさんが送ってくれた。
 泣いているところを見られた気恥ずかしさから、最初は黙っていたのだけれど、気になったことを聞いてみることにした。プロデューサーさんは大人だから、もしかしたらアタシの知らない答えを知っているかもしれないから。


15:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:36:15.70 ID:IsY2Uyq60
「どうして樹里ちゃんは、あんなに優しいんでしょうか?」
「…そうだなぁ」
 プロデューサーさんは、きっとアタシが見られたくないことを察して、こっちを見ずに運転に集中するふりをしながら、少し考えてから教えてくれた。


16:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:37:05.01 ID:IsY2Uyq60
「きっと、樹里はさ。たくさん傷ついてきたんだよ。だから他の誰にもそんな想いをさせたくないんじゃないかな」
「それじゃあ…樹里ちゃんが可哀想です…」
「そうだよな、だから果穂は樹里を守ろうと思ったんだろ?」
「プロデューサーさん…どうしてわかるんですか?」
「わかるよ、それくらい」
以下略 AAS



17:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:37:46.44 ID:IsY2Uyq60
「プロデューサーさんは凄いです…」
「何言ってんだ。樹里を救ったのは果穂じゃないか」
「え?」
 何を言ってるんだろう。余計なことを言って傷つけたアタシが樹里ちゃんを救ったわけがない。
「嬉しいことなんだよ、自分のために怒ってくれたり、泣いてくれたりする人がいるってのは」
以下略 AAS



18:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:38:39.56 ID:IsY2Uyq60
「なあ、果穂」
 お礼を言って、車を出ようとしたアタシにプロデューサーさんはこれで最後とばかりに付け足した。
「樹里は優しいよな。そんで俺は『優しい人はたくさん傷ついた人』って言っただろ?でもな、傷ついたまんまじゃ誰かに優しくなんてできないんだ」
「じゃあ樹里ちゃんは…どうして優しいんですか?」
「誰かに優しくされたからじゃないか?」
以下略 AAS



19:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:39:38.86 ID:IsY2Uyq60
「おはようございます!!」
 次の日の朝、アタシが学校に行くと少し教室がざわついた。無理もない、喧嘩ではないと思うけれど怒って出て行ったようなものだったから。
「か、果穂ちゃん…」
「あっ、うん…」
 樹里ちゃんを怖いと言っていた子に声をかけられた。


24Res/9.85 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice