425: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/12(火) 01:27:43.85 ID:FVjXptvb0
 【>>424 
  2:『ねずみ組』の『王様』について隠匿成功】 
  
  5月19日、特別試験初日の勝負はBクラス間宮志穂さんがババ抜きで負けたことで決着が付く。 
  当然、彼女は『一般人』だった。 
  少し誤算だった事として、口頭による自己申告と携帯に届いた通達メールの2つで念入りに確認という流れを彼女が作ってしまった。従って、次回以降も当然の流れとして通達メールを見せる事になる。 
  当然と言えば当然の流れだけど、これは『王様』を抱えるわたし達としては口頭での嘘で誤魔化せないというデメリットがある。なんとしてでも残り7回ある会合の場であの人を負けさせる訳にはいかなくなった。 
  ひとまずは今日、無事に乗り切れたことを喜ぶべきなのかもしれない。明日と明後日は休日だし、特別試験のことは忘れて遊んだり休んだりしよう。 
  
 「そうと決まれば…」 
  
 「ん、なんか言った?」 
  
 「あ、ううん。なんでも。疲れたねー」 
  
  今日はまだ生徒会の仕事も残っているけど、作業量としてはそれほどでもない。 
  一方、特別試験の監督役も生徒会の仕事の内だと言っていた先輩方は、今思い返してみると最近慌ただしかったように思える。この特別試験に向けて準備を進めていたのだろうか。 
  わたしも生徒会の一員として、今回の特別試験が終わった後でその業務に就くことになる。監督役として各学年で行われる試験内容について知れるのは役職特権として喜ぶべきことのはず。 
  今回はプライベートポイントやクラスポイントの変動だけだけど、中間テストで赤点を取ったら退学と言い始める学校のため、特別試験においても成績が振るわなかった生徒は退学という処置もあるかもしれない。その対策が事前に練られるのはとても良い。 
  明日以降の休日と得した気分を胸に、わたし達は教室に戻る。 
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