979:名無しNIPPER[sage]
2023/07/12(水) 01:24:36.50 ID:HAlGfQ2dO
 …  
    
  〜???視点〜  
    
  スカモンの作戦は成功したようだ。  
  鉄鋼会社から、様々な情報を持ち帰ってきた。  
    
  持ち帰ったというのはあまり正しくないな。  
  そもそも、抜き取った情報はコピー出来次第、次々と送られてきていたのだから。  
    
  ネットワーク回線の内側を粘菌で埋め尽くしたのは、我々のもとへデータを送るための伝送路を確保するためだ。  
  ゲレモンが読み取ったデータを、その伝送路で我々のもとに届けていたというわけだ。  
    
    
  しかし…クソ!  
  何が悲しくて、私の現時点最高傑作であるスライモンを、ゲレモンなどという下劣な名前で呼ばなくてはならないのだ。  
    
  あの研究所が、勝手に私のスライモンに「ゲレモン」などという下品極まりない名前を付けて勝手に公表したからだ。  
  屈辱だ。  
    
  まあいい。計画は順調に進んでいるのだから。  
  チューモンは無事にスカモンの脳を回収した。  
  ヤツは粘菌デジモンだ…。この脳を新しいボディへ埋め込めば復活するだろう。  
    
  スカモンは優秀な個体だ。失いたくはない。  
    
  …ゲレモンを作るのは大変だった。  
  ヌメモンとマッシュモンに、互いを吸収し合うような環境ストレスを与え、ジョグレス進化を誘発させなくてはならなかったのだから。  
    
  マッシュモンは、鳥かごのような狭い牢獄へ監禁した。  
  どれだけ分身を作っても、狭い鳥かごの中では自由になれない。  
    
  そうしてマッシュモンに、「粘菌のような柔らかい肉体を得て、鳥籠から抜け出したい」という強い願望を抱かせた。  
    
  ヌメモンたちには別の環境ストレスを与えた。  
  複数のヌメモンたちを、狂暴な肉食デジモンと同じ部屋へ閉じ込め、ひたすら殺戮させたのだ。  
    
  そうしてヌメモンに、「分裂して生き延びる力と、捕食者に食われないようになる毒の体を持ちたい」という願望を抱かせた。  
    
    
    
  その二体をめぐり合わせることで…  
  ヌメモンとマッシュモンは、互いのデータを求め合い…ひとつに溶けた。  
  そうして誕生したのがゲレモンだ。  
    
    
    
  だが、これがゴールではない。  
  むしろ計画のごく初期段階の一ステップにすぎない。  
    
    
  新たな獲物から、データを盗むとしよう。  
    
    
  私はハッキングツールを起動し、新たなターゲットへと、デジモン伝送路を繋げた。  
    
    
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  SHELL COMMAND  
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  Hacking System 2022  
   (C)■■■■■■■■■ Software  
    
  >NETHACK 197.045.060.080  
  >. . . . . . . . . . . . .  
    
   CONNECT OK!  
    
   USER NAME: A_A____A_  
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