【安価とコンマ】【相棒】安価とコンマで特命係になって事件を解決していく
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6: ◆PjUCtKulMQ[saga]
2021/12/12(日) 20:32:50.01 ID:FwABrILG0
白羽の矢が立てられたのは鹿妻至(かづま いたる)警部。警視庁、少年事件課所属。
細見で背が滅法高いが威圧感という言葉には縁遠い、へらへらとした笑みを常に浮かべた男だった。
動く度に変な声を出したり、頭を掻いたり触ったり何とも落ち着きない。丈の微妙に足りていないスーツの着こなしからしても、どこかズレており、悪い意味で印象に残りやすい。
喋る前には常に「あのー」だの「ええと」と口ごもる癖を持つため、異性から嫌われないまでにしても好意を持たれることはなく40を過ぎても恋人らしいものが出来たことがなかった。
職務に対しては至って真面目であり、申し分なし。

そんな彼が何故今回白羽の矢を立てられたかと言うと―

その前に―

「あれ、あ、あ、あの、その様子だと」

「僕が『それ』に内定したってまだ決まってない感じですかね、ははは……すいません」

なぜ鹿妻がそのような事情を上層部から聞く前に、突然刑事部長室に現れたのかを説明しなければいけない。

彼は先の内村と中園の密談後1時間もしない間に現れた。
それは『特命係代理』の人員リストが完成するも間もなくのことだった。

どこから聞きつけてきたのか、鹿妻は『地獄耳』だった。
どれだけ情報管制が行き届いたこの時代においても人の口に戸は立てられない。
そのうっかり落とした一つも残さず、即座に拾いへらへらとそれについて問い質すのが彼の『やりかた』――『だった』。

かつて鹿妻は新人時代、捜査部の前線に立ち、その情報の収集の速さ、処理の速さで腕を振るっていた。
かつて鹿妻には『ある人物との出会い』があった。
その件と今回の特命係代理の件――そして江東区のネットカフェ自殺の件、この3つが交わるところに彼は立っていた。

『鹿妻至』――彼は20年ほど前、短期間ではあるが『特命係』に所属し『本物の特命係・杉下右京』と共に捜査に当たっていた経験があった。


「あ、あー、えー、おひさしぶりです内村部長、中園参事官。お話はかねがねうかがっております」

「そのー、その僕で良ければその『代理』引き受けますが」

「どう、でしょう。あは、あは、は……」


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