2:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/14(火) 23:26:19.05 ID:a+c5MMQsO
「へーじはいいな」
「どうして?」
「ママに似てかわいくて羨ましい」
「へーじはいいな」が純の口癖だった。弟の手前、姉としての威厳を保ちたいのか純はあまりあたしやパパに甘えない。だからつい、甘えん坊の平司ばかり構ってしまいがちだ。
「純だってとってもかわいいよ」
「だってあたしはパパ似だもん」
どうやら淳平くんに似ていることが純にとってはコンプレックスらしく、ぷくっとほっぺを膨らませながら、こんな文句を口にした。
「もっとかっこいいパパなら良かったのに」
「パパはかっこいいよ」
「えー!? どこがー!?」
やれやれ。純にはまだパパのかっこよさがわからないらしい。仕方ない。ママの出番だ。
「パパはね、ママに懸垂しながら好きだって言ってくれたんだよ」
「なにそれ! ダッサ!」
ダ、ダサイかな。そんなことはないと思う。
「でもそんなことするのパパだけだったんだよ。だからママはパパに惹かれたの」
「ママ……見る目ないね」
失礼な。純は知らないのだ。パパの魅力を。
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