【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 15巡目
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103: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2021/12/23(木) 00:21:50.25 ID:Ogal7nk/0
ユウナ「そ、そうだ! ワイズ――――!」
力が抜けてその場にへたり込んでしまいそうになったけどそんなことをしている場合じゃない、ぼくは急いで地面に倒れているワイズの傍に駆け寄る。
――身体中に打ち込まれた弾丸によって出来た穴はもう跡の一つも残さずに塞がっていた。けど、まだ意識は戻ってきていなかったみたいだ。
ユウナ「…………っ」
良かった……何て、思えるわけもなく。目を瞑るワイズの顔がぼくの弱さを責めてくる。
もっと僕が強かったら、ワイズが僕を守ろうとしないくらい強かったら――ワイズが犠牲になることもなかった。死なないから大丈夫? そんなわけがない!
……弱いと何も守れない。やっぱり、ぼくはまだまだ――――。
ドロシー「ゆ、ユウナぁ……」
ユウナ「へっ!? ど、どしたのドロシー!?」
ドロシー「ごめんなさい、その。腰が抜けてしまって……た、立たせてください……」
ユウナ「あ、うん……分かった!」
へなへなーっと腰が抜けてしまったドロシーの元に近づいて手を差し出してあげてよいしょっと立たせてあげる。
ドロシー「あ、ありがとうございます。そしてごめんなさい……情けないところを見せてしまって」
ユウナ「ううん! そんなことないよ! それにドロシーすっごいロボットに対して活躍してたじゃん! あの雷魔法とか足が速くなる魔法とか!」
ドロシー「そ、そんな……まだまだですよ。俊敏性をあげる魔法は効果時間が短くてまともに機能してませんでしたし、雷魔法だってまだまだ威力が……」
ユウナ「威力だったらぼくだってまだまだだよ! ぼくがもっと強かったらあんなに危険な目に遭うことはなかった……攻撃も沢山外しちゃったし」
ドロシー「だったら……わたくしたちはまだまだ発展途上ですね。もっと強くなって、強くなって……こんな酷い目に遭わないようになりましょうね、わたくしたちの為にも、ワイズさんの為にも」
ユウナ「……うん」
それじゃあ、先に行こうか。とドロシーさんに言って、ぼくは倒れているワイズをおんぶした。
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