FF零式「開戦運命の三時間」
1- 20
1:名無しNIPPER
2022/01/18(火) 22:37:27.33 ID:pAViFCvW0
FF零式の公式ムービーを書き起こしたものです。懐かしい気持ちで、作品を知っている方は見ていってやってください。

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2:age
2022/01/18(火) 22:38:27.53 ID:pAViFCvW0
午前十時五十一分。
戦争で巻き荒れた砂塵渦巻く街の中を、一人の若い朱雀兵が歩いていた。
白虎兵、朱雀兵。
彼の前には白や赤といった色を基調とした兵装を纏った死体が、いくつも転がっている。そしてまた、幾ばくも無いままに、彼も死体のうちの一つになることは、想像に難くない。

以下略 AAS



3:saga
2022/01/18(火) 22:39:17.53 ID:pAViFCvW0

突如、二人の間に爆発が起こる。
彼は吹き飛ばされ、戦渦で裸になった街の地面に投げ出された。

「いたぞ!」
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[saga]
2022/01/18(火) 22:40:00.67 ID:pAViFCvW0

「なんだ?」と白虎兵。

次の瞬間、当の本人は宙に投げ飛ばされていた。
鎧を纏い、くちばしが赤く染めあがったチョコボが雄たけびを上げている。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[saga]
2022/01/18(火) 22:40:28.31 ID:pAViFCvW0

彼は自分の戦友であるチョコボの名を呼ぶ。
弱り切った彼の腕は、チチリの顎を愛おしそうに撫であげ、「くぇくぇ」とチチリは嬉しそうに鳴いた。

彼はもう一度目を瞑る。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2022/01/18(火) 22:41:04.97 ID:pAViFCvW0

タン、タン、タン、タン。

チョコボのチチリの駆ける音が、規則正しく耳に聞こえてくる。
上下に揺れる視界は、戦渦でボロボロになった街並みを映し出す。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2022/01/18(火) 22:41:50.72 ID:pAViFCvW0

「あいつは……エースは」

目の前が暗くなっていく。
彼がぼやける視界で最後に見たのは、懇願するように見つめる、チチリの大きな目だった。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2022/01/18(火) 22:44:02.06 ID:pAViFCvW0

自分の背後では、足音が二つ聞こえる。兵隊の足音だ。

「チチリ!」

以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2022/01/18(火) 22:45:06.84 ID:pAViFCvW0

だれか自分を見つけてくれ。
その一心で放った、泣き声のような雄たけびは、魔法の炎によって迎えられた。

瞬く間に広がる炎は、白虎兵のみを綺麗に焼き払う。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2022/01/18(火) 22:45:45.63 ID:pAViFCvW0

エースは彼に回復魔法を使った。
彼のものとは違い、魔法は途中で消滅せずに彼の体を包み込む。しかし、傷つきすぎた彼の体には、もはや効果はなかった。

エースの横を生真面目そうな眼付きの強い女が通り過ぎる。彼女もまた、赤いマントを羽織っていた。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2022/01/18(火) 22:46:13.63 ID:pAViFCvW0

「マキナの名づけは、わかんないなあ」



以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2022/01/18(火) 22:46:45.98 ID:pAViFCvW0

彼は清算を続ける。今までの自分の人生。してきたこと。大切な人たち。
思い出をぐるりぐるりと頭の中で回す。その滑車を回せば回すほど、自分が幸せになれると盲信しようとし続ける。

「うっ」
以下略 AAS



13:名無しNIPPER
2022/01/18(火) 22:47:14.12 ID:pAViFCvW0
おしまい


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