恐山アンナ「私は、こんな自分が嫌いだ」麻倉葉「そんな哀しいこと、云うな」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/01(火) 23:31:20.28 ID:S3yuJCHMO
「おーい、アンナ」
「気安く話しかけないで」

扉越しから届く葉の声が苛立たしい。待ち望んでいた自分を否定出来ないから。葉の言葉には裏がないから。正直だから。丸わかり。

「さっきからオイラ待ってるんだけども」
「一生待ってれば?」
「いやあ、それは出来ない相談なんよ」

知ってる。切羽詰まっていること。焦っていること。苦しんでいること。顔なんか見なくても、ありありと葉の表情が目に浮かんだ。

「うるさいわね。レディファーストよ」
「この状況に男も女もないだろうが」
「なによアンタ、ついてないわけ?」
「ついてるっての! ついてんよ!」

女みたいな顔をして、なんでついてんのよ。
もしもこいつについてなければ、私たちは良い友達になれただろうか。それは、難しい。

「じゃあ、見せなさいよ」
「見せろって、お前……」
「鍵、開けてあげるから」

ガチャリと、開錠する。まるで葉に心を開いたようで気恥ずかしかった。音もなく開く。

「ア、アンナ、さん……?」
「なに見てんのよ……さっさと入れば?」

微笑んで、どうぞと言いたい。私の旦那に。


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