1:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/25(金) 22:52:52.53 ID:DZbW6XUkO
「……バカシンジ」 
  
 睡眠は人間にとって三代欲求のひとつに数えられるほど必要不可欠なもので大多数の人は夜眠ることに困る必要はない。それなのに。 
  
 (どうしてあんたが居ないと寝れないのよ) 
  
 寝返りを打った拍子に目が覚めて寝ぼけ眼にシンジの寝顔が映り何故か多幸感を覚える。 
  
 「……ほんとに寝てる?」 
  
 一応訊ねるも、返ってくるのは寝息だけで。 
  
 「絶対起きないでよ。わかった?」 
  
 寝ているシンジに念を押してから、囁いた。 
  
 「……愛してる」 
  
 紡がれた言葉がなんだか薄っぺらく感じて。 
  
 「私はあんたのことを、愛してる」 
  
 確かめるように、自分とシンジに言い聞かせるように、想いと感情が一致するように。 
  
 「愛してるわ……シンジ」 
 「むにゃ……臭い足で踏まないでよアスカ」 
  
 こ、こいつ!? 思わずキレかけるも、我慢。
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/25(金) 22:55:45.23 ID:DZbW6XUkO
 「く、くく、臭くないわよ」 
  
 そう言いつつも一応確認。臭くない。平気。 
  
 「足が臭いのはミサトよ。ミ・サ・トッ」 
3:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/25(金) 22:59:27.87 ID:DZbW6XUkO
 「えっ? 待って。何を手に持ってるの??」 
 「なにって爪切りよ」 
 「なんでそんなもの持ってるの?」 
 「爪切ってあげようと思って」 
 「???? 僕が寝てる間に?」 
4:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/25(金) 23:01:32.85 ID:DZbW6XUkO
 「でも、次からは起きてる時にして欲しい」 
 「……恥ずかしいから、無理」 
  
 寝てるからこそ出来て、言えることもある。 
  
5:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/25(金) 23:04:03.71 ID:DZbW6XUkO
 「じゃあ、寝ようか」 
 「うん……むこう向いて」 
 「わかってるよ。おやすみ」 
  
 わかってない。こっちを向いて欲しいのに。 
6:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/25(金) 23:05:54.74 ID:DZbW6XUkO
 (不思議ね) 
  
 「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」 
  
 不潔で不謹慎で不快極まりない愉悦なのに。 
7:名無しNIPPER
2022/03/15(火) 00:37:56.26 ID:s0hWq0SYO
 乙 
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