黛真知子「だから論理ロンリー!」古美門研介「……なんのつもりだ?」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/06(日) 02:30:44.46 ID:pJItFeToO
「では今度は私から訊ねよう」

相手の土俵に立てば勝てる裁判にも勝てない。なんとか敗訴を回避してほっと息を吐く暇もなく、古美門研介は仕掛けてきた。

「君は真実を追求したいという。正義か悪かをはっきりさせるためにね。その結果、その果てに君は何を得る? 何を満たしたいんだ」

あくまでも利己的な先生らしい質問。私は。

「私は別に自分が何も得られず、何も満たされなくても構いません。ただ、真実を……」
「つまりただの知りたがり屋なわけだ」
「違います。そうじゃなくて、私は……」

知りたがり屋。挑発だ。動揺するな。でも。

「いえ……そうかも知れません。何が正しいのか間違っているのか、私はそれが知りたい」
「やはりそうか。ならばやめておけ」

素直に認めると先生はそこに漬け込むことはせず忠告としか思えない口調で諭してきた。

「この世界には知らなくていいことが沢山あり、知れば後悔することだらけだ。弁護士を続けたければ片目を瞑る事を心がけたまえ。可視領域とは我々を守る為に存在している」
「それは……私のためですか?」

先生は答えない。応えない。片目を瞑って。

「じゃあ、私が先生の片目になります」
「……君が?」
「先生が見たくないものを私が見ます」

それが私の見たい真実。知りたい真実だ。


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