20: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:28:10.62 ID:NHAPh+ft0
   
 「落ち着いて。私はみんなと争う気は無いの。ただ、もう少し劇場を大切に扱って欲しいだけ」 
  
 劇場を、大切に……? 
 すぐ後ろの二人の表情から「ギクリ」というオノマトペが鳴る。 
 昴さん、ロコちゃん。そうだね、きっとあなたたちのことを言っているね。 
  
 「それでは、私たちをここに閉じ込めているのも貴女ということでしょうか」 
 「そうだね。みんなにはしばらくエントランスで反省してもらおうと思う」 
 「学校の宿題もありますので、出来れば早めに解放してもらいたいのですが、私たちはどうすれば解放してもらえるのでしょうか」 
  
 瑞希さん、ただ怯えるばかりの私と違って、しっかりと相手との対話を試みています。頼れる女性はかっこいい、恋してしまいそうです。 
 あぁ、だめよ百合子。今は苦しく辛い戦争の真っ只中、恋愛ごとに現を抜かす訳には……。 
 でも私は、もうこの気持ちを抑えることが出来ないのです。この燃え上がる情熱は、何人たりとも止めることが出来ません。 
 瑞希さん、この戦争が終わったら、私と……。 
   
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