49:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:37:20.18 ID:XVB8s0iW0
 この突如出現した超越者には、光と闇双方が震撼した。 
 侵犯者たちすらもその力に恐怖を抱いた。 
  
 例えば、アルゴサクスやムンドゥスは、 
 その「具現」や「創造」の力によって不死性を得ていたが、 
 このエーシルならばそれらを 
 『無』の力で抹消できたからである。 
 くわえて純粋な武力においても、エーシルは全存在を圧倒していた。 
  
 ゆえに魔界の侵犯者らも対外活動を一時停止させ、 
 様子見を選ぶしかなかった。 
  
 しかし外界にとっては幸いなことに、 
 エーシルは光と闇の戦争には介入せず、 
 ジュベレウスとは異なり原初世界の修復も試みなかった。 
 とはいえ全てに受動的なクイーンシバとも異なり、 
 明確な目的も有していた。 
  
 それは新しい世界を構築することである。 
 彼は目覚めるや、すぐに己の新世界構築にとりかかった。 
 『采配の力』による定義で「安定」の状態を定め、 
 『世界の目』による観測でその「安定」を混沌の海に定着させた。 
  
 これによって混沌の海は結晶化して安定し、 
 現実が一つに定まり、一つの実存世界として認められるに至った。 
  
 そこは『混沌界』あるいは『中間世界』と呼ばれた。 
 中間というのは、混沌であるがゆえに 
 光と闇両方の性質を備えていたためである。 
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