136: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/01/27(金) 00:11:19.70 ID:sMuggt4e0
.
「おぉ〜〜〜………本っ当に気合入ってるなぁ」
三式弾に続いて空を埋め尽くさんばかりに撃ち上がる、艶やかにして苛烈な対空弾幕。【第一連隊】に殺到した敵航空群が碌な接近すら叶わず焼き払われていき、その光景に思わず感嘆の声が漏れる。
一航戦のアンチキショウじゃないけれど、まさに“鎧袖一触”だ。
(まっ、比叡さんもこの鎮守府じゃあ古株の1人だからねぇ。素の性能に練度、そこに“キラ”まで乗っかればあれぐらいはできるか)
本来、兵器や乗り物に精神論を唱えることほど無意味なものはない。百戦錬磨の熟練兵が扱った際に弾丸の飛距離が伸びたり連射速度が早まりはしても、それらは経験則と実証が下地に存在するれっきとした「科学・物理学」の話だ。どれほど気合と殺意を込めて天に向かって突き出そうが、遥か上空を飛んでいくB-29を竹槍で落とせはしない。
ただ、私達艦娘について語る際は、しばしばこの“常識”が覆る。
飛距離、貫徹力、装填速度、精度などで、物理法則や本人の練度だけでは到底説明ができないような振れ幅が見られた。爆破範囲、弾速、航行速度、物資・弾薬・燃料の積載可能量、旋回性能、装甲値といった、本来技術ではどうにもならない所謂“カタログスペック”の数値に大幅な変動が計測された。
私達の肌感覚じゃない、戦場から多数の報告を受けた防衛省技研が存在の“実証”を終えている。
これらの現象が、直近の戦績、提督・同僚との関係性、疲労度、艦隊における姉妹艦の有無などに伴った艦娘の「精神状態」とほぼ比例的に連動していることも含めて。
どれだけそれらの数値変動が顕著であったかは、当時既に“実装”されていた間宮さん、伊良湖さんによる甘味処並びに鳳翔さんによる酒処の常設、それができない警備府・特派府・小規模な鎮守府は所属艦娘への積極的な娯楽提供が国会審議を通し各提督の“義務”として法制化されていることから概ね察してほしい。
年寄り臭いことは言いたくないけど、防衛費の一項目に【対艦娘嗜好品提供費】や【ハロウィン・クリスマス他各種イベント開催費】、果ては【お年玉予算】なんてものが大真面目な顔で鎮座しているのはちょっと隔世を感じちゃうわね。
311Res/557.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20