215: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/08(火) 14:37:31.39 ID:YYNh6Lpr0
  
 しずく「ココガラ……!!」 
  「ピ、ピピィ〜〜……」 
  
  
 今のは“チャージビーム”……!? 
  
 どうして!? ロトムは“こんらん”しているはずなのに、こんな正確に攻撃を……!? 
  
 驚く私を次に襲ったのは──バチン! という音と共に、手に痛みが走る。 
  
  
 しずく「いった……!」 
  
  
 思わず手に握っていたポケギアを落としてしまう。 
  
  
 しずく「ポケギアがショートした……っ……!?」 
  
  
 火花を散らせ、アスファルトの上を跳ねるポケギアから、急に、 
  
  
  「よくもやってくれたロトね…」 
  
  
 音声が響く。 
  
  
 しずく「な……」 
  
  「お陰でフラフラするロト」 
  
  
 気付けばさっきまで、そこで浮いていたロトムがいない。 
  
 恐らくあの一瞬の隙に、私のポケギアを乗っ取ったんだ。 
  
  
 しずく「“こんらん”しながら、そんな判断……」 
  
  「お前のミスはボクの強さを侮ったことロト。場数が違うロト」 
  
 しずく「場数……?」 
  
  「ボクはこれでも、歴戦のポケモンロト。ちょっと“こんらん”して頭がフラフラしても、止まってるポケモンくらい、勘で攻撃出来るロト」 
  
 しずく「……!」 
  
  
 苦し紛れの言い訳のようにも聞こえるけど──その言葉からは、強者の持つ特有の圧のようなものを感じた。 
  
 ふざけたポケモンだけど……このロトム、本当に強い……! 
  
  
  「お仕置きロト」 
  
  
 ロトムの言葉と共に──フワリと、私の周囲に落ちていた飲み物たちが浮遊する。 
  
  
 しずく「“ポルターガイスト”……っ!?」 
  
  
 逃げなくちゃと思い、戦闘不能にされたマネネとココガラを急いでボールに戻して、駆けだそうとしたが──足元に“モーモーミルク”の瓶が転がりこんで来て、 
  
  
 しずく「あっ!?」 
  
  
 瓶を踏んづけて、私はそのまま尻餅をつかされる。 
  
  
 しずく「いった……っ」 
  
  
 尻餅をついたことに驚く間もなく、今度は周囲に浮遊していた、“サイコソーダ”と“ミックスオレ”の缶の天井部がスパッと切れて吹き飛び──バシャァッとひっくり返したコップのように、中身が私の頭に掛かる。 
  
  
 しずく「…………」 
  
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