235: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/09(水) 11:28:37.05 ID:hVp6cgNM0
  
 歩夢「それで、愛ちゃん……そのエレズンがどうしたの?」 
  
 愛「え? ああ、そうだった。えっとね……実はこのエレズンの特性が問題なんだ」 
  
 侑「特性……? エレズンの特性って……」 
  
 リナ『そのエレズンの特性は“せいでんき”。……なるほど、理解した』 ||  ̄ ᇫ  ̄ || 
  
 歩夢「どういうこと?」 
  
 愛「特性“せいでんき”はね……野生のでんきタイプのポケモンを引き寄せちゃうんだよ……」 
  
 リナ『ボールに入れていても常時発動する……確かに、これじゃラクライが寄ってきちゃう』 || ╹ᇫ╹ || 
  
  
 確かに雷雲の原因が近寄ってきちゃうのは確かに困るかも……。 
  
  
 愛「エレズンの周りには近寄らないように言ってやりたいよ……ラクライたち! “Say! 出禁!”なんつって!」 
  
 侑「あ、あはははははははっ!! “せいでんき”と“Say! 出禁!” あはははははははっ」 
  
 愛「“せいでんき”も普段は役に立つ、“特製”の“特性”なんだけどね〜」 
  
 侑「あはははははははっ! やめ、やめてっ! お、お腹痛い! し、死んじゃうっ!」 
  
  
 どうやら愛ちゃんはよほどのダジャレ好きらしい。 
  
 それはいいんだけど、話の腰を折らないで欲しい……侑ちゃんとの相性が悪い──いや、ある意味良すぎる──せいか、話がすぐ脱線してしまう。 
  
  
 歩夢「と、とにかく、愛ちゃんはコメコに行きたいんだよね!?」 
  
 愛「あ、うん! 実はコメコで約束してる人が居てね。明日までには戻りたいんだけど……それで途方に暮れちゃってさぁ。明日までに雨が止む保証もないし」 
  
 侑「はぁ……はぁ……ふぅ……な、なるほど……」 
  
 愛「……まあ、こうなったら、寄ってくるラクライを全部撃退しながら、進むしかないかもね……」 
  
 歩夢「雷雨が止むまで待つのはダメなの……? 約束してる人も説明すればわかってくれるんじゃ……」 
  
 愛「なかなか、そういうわけにもいかない相手なんだよねぇ……」 
  
  
 言いながら、愛ちゃんは自分の首に付けられたチョーカーをさすりながら肩を竦める。 
  
  
 愛「……ま、ここでいつまでもうだうだしてても仕方ないか! 女は度胸! 覚悟を決めて、突っ込んでくるよ!」 
  
 侑「待って、愛ちゃん!」 
  
 愛「?」 
  
 侑「それなら、一緒に行こうよ! 一人で行くよりも、みんなで行く方が少しは安全だと思うし!」 
  
  
 侑ちゃんの言葉に愛ちゃんは目を丸くする。 
  
  
 愛「いいの?」 
  
 侑「どっちにしろ、私たちもコメコシティに向かおうとしてる。目的は一緒だし……何より、困ってるのに放っておけないよ!」 
  
 愛「ゆうゆ……!」 
  
 歩夢「わ、私も……! バトルはそんなに得意じゃないけど、何か手伝えることがあれば……!」 
  
 リナ『「旅は道連れ、世は情け」って言う。私もお手伝いする』 || ╹ ◡ ╹ || 
  
 愛「歩夢にリナちゃんも……! わかった! 一緒に行こう!」 
  
  
 愛ちゃんは嬉しそうに頷いて、 
  
  
 愛「みんなで一緒に“ドッグラン”を“グッドラン”で駆け抜けようー!! なんつって!」 
  
  
 渾身のダジャレで、出発の音頭を取るのだった。 
  
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