274: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/10(木) 11:55:08.53 ID:IGCv6YWI0
果林「ち、ちょっと森林浴してただけよ!!///」
侑「は、はい……なんか、すみません」
果林「は、早く帰らないとね……!!」
そう言いながら、立ち去ろうとする果林さん。
エマ「か、果林ちゃん! そっちはホシゾラシティ方向だよ!」
果林「…………」
そしてすぐに立ち止まる。
侑「もしかして……」
歩夢「方向音痴……?」
果林「…………っ……///」
果林さんは耳まで赤くして、ぷるぷる震えている。
──果林さんと言えば、テレビでもよく見る有名なモデルさんだ。
もちろん、私や歩夢も何度も目にしたことのある有名人。
せつ菜ちゃんのように、旅をしていたら、テレビの向こう側にいる人と会えたりするんじゃないかとワクワクしていたんだけど……まさか、こんな形で遭遇することになるとは思ってもみなかった。
現在進行形で道に迷っているところを私たちに見られて堪えているところに、追い打ちを掛けるように──くぅ〜……と可愛らしい音が鳴る。
たぶん、果林さんのお腹が鳴る音だ。
エマ「果林ちゃん、結構迷ってたのかな? お腹空いたんだね? もう暗くなっちゃうし、早くコメコに帰ろう?」
果林「………………っ……///」
果林さんはもはや何も言い返さず、無言でエマさんの言葉に頷くだけだった。
気付けば、森の木々の隙間から見える空は夕闇が迫り始めていた。
エマ「わたしたちは、このままコメコに帰るけど……二人はどうする?」
侑「私たちも一旦帰ろうか」
歩夢「うん」
コメコシティにはまだ用事があるし、このまま帰った方がいいと思ったんだけど、
侑「……あ」
歩夢「? どうしたの?」
侑「今日の宿……まだ探してなかった」
歩夢「……あ」
昨日はポケモンセンターに泊めてもらっていたから、うっかりしていた。
今からコメコに戻って宿を探さないといけない。
もちろん、もう一泊ポケモンセンターに泊めてもらうというのも手だけど……あそこは泊めてもらえるというだけで、宿泊施設というわけではない。
昨日の私たちのような怪我人や病人が休めるように、出来るだけ自分たちで宿を見つけて、部屋を埋めない方が望ましい。
侑「リナちゃん、コメコの宿って……」
リナ『……コメコ自体旅人が泊まれる宿が少ない。もうこの時間だと部屋が埋まってる可能性が高いかも』 || ╹ᇫ╹ ||
侑「だよね……」
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