498: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/22(火) 12:18:26.23 ID:lNytOG/10
二人で言い合いを始めた、次の瞬間には、
「──ロゼェッ…!!!?」
ロゼリアは私たちのすぐ傍まで吹きとばされて、ぐったりとしていた。
しずく「ロゼリア……!?」
「ロゼ…」
かすみ「だ、ダメです……っ……れ、レベルが違い過ぎます……」
私を抱きしめたまま、かすみさんが震え出す。
このままじゃ埒が明かない。
しずく「ごめん、かすみさん……っ!!」
かすみさんを引き剥がすようにして、
かすみ「きゃんっ!?」
両手でかすみさんを押すと、かなり弱い力だったのに、かすみさんは再び尻餅をついてしまった。
でも、このままじゃ全滅しかねない。
私は決意し、あの白いポケモンと対峙するために振り返った。
かすみ「見ちゃダメ、しず子っ!!」
「フェロ」
しずく「……あ」
視界に入れた瞬間。全身の力が抜けて、再びへたり込む。
しずく「あ、えへへ……すごい……きれい……?」
あのポケモンの一挙手一投足を見ているだけで、脳が溶けるような気分になった。
一歩ずつ、一歩ずつ、私の目の前に迫り。
しずく「あ……?」
そのポケモンは、私の目の前で、その長い脚を振り上げた。
かすみ「しず子っ!!!!」
──あ、きっと死ぬ。
猛スピードで振り下ろされる脚が、何故かスローモーションのように見えた。
でも、自分が今際の際にいることすら、どうでもよく思えるくらい──美しかった。
「──バイウールー!!! “コットンガード”!!!」
──が、その瞬間、私とそのポケモンの間に白いもこもことしたものが割り込んできて、ボフッと音を立てながら、蹴りを受け止めた。
しずく「……ぁぇ……?」
かすみ「しず子……っ!!」
かすみさんが飛びついてきて、再び抱きしめられる。
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20