644: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/30(水) 12:48:09.29 ID:4td2vpP20
心臓がバクバクと爆音を上げているが、どうやら何か柔らかいものの上に落ちたらしい。
お陰でどうにか助かったらしい。……でも、
かすみ「く、臭い……」
強烈な悪臭が立ち込めている場所だった。鼻が曲がりそうになって、思わずハンカチを取り出して鼻と口を覆う。
かすみ「ここ、どこ……」
周囲を見渡してみるも、真っ暗で全然わからない。
かすみ「そうだ……出てきてジュプトル」
「──ジュプト」
かすみ「“フラッシュ”」
「プト」
ジュプトルが腕の葉っぱの先を光らせ、周囲を明るく照らす。
“フラッシュ”によって照らされたここは……大きなビニール袋があちこちに積まれている場所だった。
かく言うかすみんが落ちた柔らかいものの上というのも、ビニール袋の上……。
かすみ「……ここ、どこ……?」
眉を顰める。めっちゃ暗くて、割と広くて、かなり臭い場所……。
さっきまで研究室にいたはずなのに……。
「──……ゴミの保管所だよ」
かすみんの疑問に答えたのは上から降ってきた声。
声のする方に視線を向けると、
かすみ「あ、しず子!」
しず子がアオガラスに掴まって、ゆっくり下りてきているところだった。
しずく「もう……突然消えたかと思ったら、悲鳴が聞こえてきて、何かと思ったよ……。……それにしても、すごい臭い……」
しず子もかすみんと同じようにハンカチで鼻と口を覆いながら、そんなことを言う。
かすみ「……ってか、今ゴミの保管所って言った? かすみん、なんでそんな場所にいるの? かすみん、腰掛に座ろうとしただけなんだけど……」
しずく「はぁ……かすみさん、口の空いてるダスト・シュートに腰掛けたでしょ……」
かすみ「“ダストシュート”……? なにそれ……? ポケモンの技……?」
しずく「そっちじゃない。簡単に言うと、建物に付けられたゴミ捨て場への直通の管みたいなものかな……」
かすみ「え……じゃあ、かすみんもしかしてゴミ捨て場に落ちちゃったってこと!?」
しずく「さっきからそう言ってるでしょ」
しず子が呆れた顔で肩を竦める。
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20