808: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/08(木) 10:27:15.89 ID:S2FBcmzU0
  
 しずく「あ、あの……もし、ヨハネ博士に何か特別な想いがあるのでしたら……私は、聞きたいです」 
  
 善子「しずく……」 
  
 歩夢「き、期待に応えられるかはわからないですけど……私も、ヨハネ博士が何か考えてるなら……ちゃんと知りたいです」 
  
 善子「歩夢……」 
  
 かすみ「もう、ヨハ子博士、この期に及んで何を隠すことがあるんですか! 気になることがあるなら、このかすみんに話してくださいよ〜!」 
  
 善子「かすみ……あんたはなんか腹立つわね」 
  
 かすみ「なんでですかっ!?」 
  
  
 ヨハネ博士が選んだ3人からの言葉。 
  
  
 侑「あの、ヨハネ博士……私は博士に選んでもらったトレーナーじゃないですけど……みんなヨハネ博士のこと尊敬してるし、感謝してます! もし、何か気になることがあるなら、力になりたいです……!」 
  
 善子「侑……」 
  
  
 ヨハネ博士は少し悩む素振りを見せる。 
  
  
 善子「……もう、曜が余計なこと言うからよ……」 
  
 曜「こうしてあげないと、どこかの誰かさんはいつまでも抱え込むからね」 
  
 善子「……はぁ……わかったわよ」 
  
  
 ヨハネ博士は観念したように、溜め息を吐きながら──先ほど磨いていたボールをしまった引き出しを開けて、中から赤い板状の物を取り出した。 
  
  
 侑「あ、それ……」 
  
  
 さっきちらっと見たのと同じ物── 
  
  
 侑「ポケモン……図鑑……」 
  
 善子「……そうよ」 
  
  
 それは、真っ赤なポケモン図鑑だった。 
  
  
 かすみ「え、どういうことですか? 実はさらにもう1個ポケモン図鑑があったってこと?」 
  
 善子「……ええ。どの図鑑ともペアリングされてない。たった1つだけ……残された図鑑」 
  
 かすみ「ええ? なら、なんで侑先輩にはそれじゃなくて、リナ子を渡したんですか? リナ子はたまたま知り合いに頼まれて渡された〜みたいなこと言ってませんでしたっけ?」 
  
 善子「この図鑑を渡す相手は……もう決まってるの。ずっと……ずっと前から……」 
  
 侑「それって、どういう……」 
  
 善子「今から話すのは……2年前の話。私がこの研究所を持つ前のことよ──」 
  
  
 ヨハネ博士はそう切り出して──過去のことを話し始めた。 
  
  
  
  
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