94: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:46:24.52 ID:EM6Mdgk00
  
 会場のライトが消え、ステージがライトアップされる。 
  
 そうして、舞台袖からひとりの小柄な女性が飛び出してきた。 
  
95: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:46:57.14 ID:EM6Mdgk00
  
 「こんばんはー!今日もナナのステージにきてくださってありがとうございます!」 
  
 あの子が、安部菜々が、居た。 
  
96: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:47:39.35 ID:EM6Mdgk00
  
 「以上!新曲『ウサミン伝説最終章・第4話・その8』を聞いていただきましたー♪」 
  
 聞き入っていた。曲の良し悪しや、歌の巧拙ではない。 
  
97: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:48:20.18 ID:EM6Mdgk00
  
 「はぁ……」 
  
 控室、安部菜々はそこに居た。 
  
98: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:48:55.16 ID:EM6Mdgk00
  
 「え、はい!」 
  
 今にも泣き出してしまいそうな顔で、安部菜々は振り向いた。そして。 
  
99: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:49:27.34 ID:EM6Mdgk00
  
 「菜々さん、これを……」 
  
 名刺を差し出した。 
  
100: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:50:00.02 ID:EM6Mdgk00
  
 「アイドル・ウサミンの自己紹介。また聞かせてくれないかな?」 
  
 「は、はい!」 
  
101: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:50:31.84 ID:EM6Mdgk00
  
 「今日もそうだったね。それで改めてお伝えしたいことがあります」 
  
 敬語に切り替える、ここからは仕事の話だ。 
  
102: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:51:01.92 ID:EM6Mdgk00
  
 「ええええっ!?ス、スカウトですかっ!ナナ、メジャーデビューできるんですかっ!?」 
  
 表情をコロコロ変えながらずっと驚いている。 
  
103: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:51:39.54 ID:EM6Mdgk00
  
 月曜日、出社して最初にやったことは、事務室の掃除だった。 
  
 (週明けに、身分証明証と履歴書を持って本社事務所を訪ねて下さい) 
  
104: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:52:09.35 ID:EM6Mdgk00
  
 「川島さん、アイドルに雑用を手伝わせるのは悪いですよ」 
  
 「大事なお客さんがくるんでしょ?わかるわ」 
  
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