320: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/26(月) 12:15:15.17 ID:9NVhM0zb0
矛盾したことが自分の頭の中で目まぐるしく流れていく。
でも、おかしいとわかっているのに違和感はない。
ここでは“そう”らしい。
理亞「相変わらず困った空間ね……」
ルビィ「うん……」
かすみ「あ、あのあの、ここどうなってるんですか……!?」
理亞先輩とルビ子に駆け寄ろうとすると──
かすみ「あ、あれ!?」
何故か、二人から離れていく。
ルビィ「かすみちゃん! 動かないで!」
かすみ「は、はいぃ!!」
理亞「マーイーカ、“ひっくりかえす”」
「──マーイーカ」
理亞先輩が、ボールから出したマーイーカに技を指示する。
理亞「もうこっちに歩いてきていい」
かすみ「は、はい……?」
言われたとおり、足を踏み出すと──
かすみ「あ……普通に歩ける……」
確かに思ったとおりに前に進むことが出来るようになっていた。
理亞「この辺りは……特に歪みが酷いみたい」
かすみ「歪み……?」
ルビィ「前に進むと後ろに進んじゃったり、右に行くと左に行っちゃったり……そういうのがあべこべな世界なの」
理亞「ただ、ねえさまのマーイーカは特別な訓練を積んでるから……“ひっくりかえす”で周囲のあべこべを無理やり矯正出来る。出来る限り、マーイーカから離れないようにして」
かすみ「わ、わかりました。……それはいいんですけど……」
かすみんは周囲をきょろきょろと見回す。
かすみ「あの……彼方先輩は……」
理亞「たぶん……入ったときにはぐれた。入ったときはある程度近くに出るはずなんだけど……微妙に位置がズレるの」
ルビィ「それで彼方さんだけ、たまたま違う場所に出ちゃったんだね……」
かすみ「た、大変じゃないですか!? こんなところで彼方先輩一人にさせるなんて……!」
理亞「早く見つけないと……そんなに離れてはいないはずなんだけど……」
3人で彼方先輩を探しに行こうとしたそのとき、
彼方「おーい、みんな〜」
──頭上の床から、彼方先輩の声が聞こえてきた。
直後、
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