6:名無しNIPPER[saga]
2023/08/15(火) 00:32:19.74 ID:CdvupbE30
  
 濡れた道路に足元を取られぬよう速度を落としたのがなお良かった。 
 セローは俺の尻を蹴りあげるのをやめ、今はリズミカルにエンジン音を奏でてくれている。 
  
 ほどなくして、目的地である一ツ瀬ダムにたどり着いた。 
7:名無しNIPPER[saga]
2023/08/15(火) 00:32:51.31 ID:CdvupbE30
  
 九州最大のアーチ式ダム「一ツ瀬ダム」。 
 アーチ式というのがどういう構造の物なのかは、よく知らない。 
 それにアーチ式で無ければ九州最大では無いのでは? という素朴な疑念も残る。 
  
8:名無しNIPPER[saga]
2023/08/15(火) 00:33:20.62 ID:CdvupbE30
 ? ?? ? 
  
 道を折り返し、帰路に就く。 
 痛む尻には、たとえ安物のソファーであっても恋しく思えた。 
  
9:名無しNIPPER[saga]
2023/08/15(火) 00:33:54.83 ID:CdvupbE30
  
 ビールを3本買ったのは、兄貴の分と俺の分、そして祖父の分だ。 
 兄貴と祖父は、同じところにいる。 
  
 砂利の敷かれた駐車場にバイクを止め、俺は自身の名字が刻まれた墓に向かった。 
10:名無しNIPPER[saga]
2023/08/15(火) 00:34:24.59 ID:CdvupbE30
  
 思い返せば、俺の暇つぶしは全部兄貴譲りのものばかりだ。 
 バイクも、映画や漫画といったオタク趣味も、仕事だってそうだ。 
 兄貴は、俺の知らない未知のジャンルを開拓してきては、俺に教え込む伝道師のような男だった。 
  
11:名無しNIPPER[saga]
2023/08/15(火) 00:34:56.94 ID:CdvupbE30
  
 ?? λ.... ?? 
  
 アパートに帰りつく。 
 ほんの数時間空けただけだというのに、既に部屋には熱気が立ち込めていた。 
12:名無しNIPPER[saga]
2023/08/15(火) 00:35:34.49 ID:CdvupbE30
  
 「みんな、ダムはいいぞ」 
  
  
 おわり 
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