861: ◆15vHdNAAAEr/[sage saga]
2023/10/26(木) 22:47:16.39 ID:h/pand+io
透母「……」
桜野「あの、話って……?」
透母「桜野ちゃん」
桜野「はい……?」
透母「ありがとね、透のこと」
桜野「え? えっと……どういう……?」
透母「ねぇ桜野ちゃん、透と初めて会った時どんな感じだったか覚えてる?」
桜野「え、はじめて? えっとぉ……」
透母「感じた通り素直に言ってくれていいわよ。気を悪くしたりしないから」
桜野「じゃあ、えっと……透ちゃんが転校してきた時だから……最初はその、ちょっと怖い人なのかなって思いました。目つきがこう……鋭い感じで」
透母「うん」
桜野「それで、あの……ちょっと厳しい人なのかな、みたいな印象も……」
透母「ふふっ、そうね」
桜野「あ、す、すいません……」
透母「ううん、あの頃は確かにそんな感じだった。鋭くて、近づいたらこっちが怪我しちゃうくらい」
桜野「はい……」
透母「でもね、昔からそうだったわけじゃないのよ」
桜野「あ、あのアルバム見ました」
透母「あ、そうだったそうだった。アルバムは小さい頃のしかないけど、あのまま大きくなったイメージね」
桜野「なんていうか、ポヤポヤな……?」
透母「ふふふっ、そう、ポヤポヤ。天然っていうか、親としてはちょっと危なっかしいかなって感じの子」
桜野「ふふっ、たしかにちょっと不安かもです」
透母「……それと、よく笑う子」
桜野「笑う……」
透母「些細なことでもね、本当に楽しそうに笑う子だったの」
桜野「透ちゃんが……」
透母「それがね……変わってしまった……」
桜野「……」
透母「前にあの子ね、行方不明になったの」
桜野「……!」
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