クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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66:名無しNIPPER[sage]
2023/11/16(木) 23:40:55.57 ID:rJmZ2Gm4O
 フハッ 
67:名無しNIPPER[saga]
2023/11/17(金) 00:01:57.93 ID:nqLkrj2GO
 「佐竹のすっぴんがあんなもんだとは……」 
 「もう俺、女子を信じられない……」 
 「邪魔」 
  
 朝登校すると、自分の顔を鏡で見たことのない馬鹿どもが教室の入り口にたむろしていて邪魔だったので蹴りを入れやった。失せろ。 
68:名無しNIPPER[saga]
2023/11/17(金) 00:05:39.52 ID:PzBWx7gTO
 「カヤさんが早く山田を連れてこいってさ」 
 「ふん。あいつの言いなりなんて癪だし」 
 「やれやれ。山田もそろそろ変わりなよ」 
  
 そう言い残して、佐竹は席に戻っていった。 
69:名無しNIPPER[saga]
2023/11/17(金) 00:07:39.70 ID:7O3upq/LO
 「田中。ちょっと話がある」 
 「え? なんだ山田か。なに? 僕は今、有栖川と楽しくお喋りするのに忙しいんだけど?」 
  
 なんだとはなんだ。イラつくけどぐっと堪える。有栖川がキョトンと首を傾げて見てる。 
 肩に流れる髪から漂う香りが、さっきの馬鹿男子どもの下品な香水の臭いを消していた。 
70:名無しNIPPER[saga]
2023/11/17(金) 00:10:17.70 ID:2ef1Kz6WO
 「言いたいことはそれだけだから……じゃ」 
 「あ、山田。今日の放課後って予定ある?」 
  
 敗北を乗り越えて立ち去ろうとしたあたしに有栖川が声をかけた。思わず期待してしまう自分に嫌気が差す。でも今日だけは。いや、これからは素直になろう。だってあたしは。 
  
71:名無しNIPPER[saga]
2023/11/17(金) 00:12:01.68 ID:TEJOaJJ6O
 「あ、お風呂上がった? じゃあ次はあたしが入ってくる。ちゃんと寝ないで待っててね」 
 「ご、ごゆっくり……」 
 「はあ? なに山田。まだ緊張してんの? あ、喉乾いたでしょ。はい、お水。じゃあね」 
 「あ、ありがと……行ってらっしゃい」 
  
72:名無しNIPPER[saga]
2023/11/17(金) 00:14:00.84 ID:vB2Ygv4uO
 「よ、よーし……今にみてろよ、とぅっ!」 
  
 覚悟を決めて元凶にダイブ。弾む弾む。転がる転がる。匂いを上書きしつつも、自分に有栖川の匂いを擦り付ける。めっちゃ幸せだ。 
 くんかくんかしてると、突然ドアが開いた。 
  
73:名無しNIPPER[saga]
2023/11/17(金) 00:15:31.42 ID:eVpe/ejwO
 「え? 何この惨状。ベッドがぐしゃぐしゃ」 
 「……お前んとこの使用人がやった」 
 「まったく、カヤのやつめ。怪我はない?」 
 「紙一重だった」 
  
74:名無しNIPPER[saga]
2023/11/17(金) 00:16:29.03 ID:yEPY/mq1O
 「じゃ、おやすみー」 
 「お、おやすみ……」 
  
 何も起きない。そりゃそうだ。友達だしな。 
  
75:名無しNIPPER[saga]
2023/11/18(土) 00:01:41.13 ID:9ug+XFUyO
 「坊ちゃま! 速く走ると転びますよ!」 
 「ふふふ! 僕を捕まえてみろ、ヤマ!」 
  
 あれから暫くの時が過ぎた。あたしは卒業後、有栖川家に就職して、今は坊ちゃまのお世話係だ。両親である奥様とその他1名は、カヤ先輩を連れて、お仕事に出掛けている。 
  
76:名無しNIPPER[saga]
2023/11/18(土) 00:02:41.31 ID:9ug+XFUyO
 「山田は今、幸せ?」 
 「あたしは……」 
  
 わかりきった答えを遮って坊ちゃまが仰る。 
  
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